2022/07/22 18:00
17歳少年に懲役10年~15年の不定期刑判決 「保護処分は社会的に許容し難い」 福岡の女性刺殺事件
暮らし
2022/07/25 15:03
2020年に福岡市の商業施設で女性が殺害された事件の裁判員裁判で、殺人などの罪に問われた17歳の少年に対し、福岡地裁は懲役10年以上15年以下の不定期刑判決を言い渡しました。
判決によると、少年(当時15)は2020年8月、福岡市の商業施設1階の女性用トイレで、買い物に訪れていた面識のない女性(当時21)を包丁で刺して殺害しました。
福岡地裁で開かれたこれまでの裁判員裁判で、少年は起訴内容を認めていて、最大の焦点は、当時15歳の少年に「刑事罰を科すべき」か、「保護処分にするべき」か、でした。
検察側は「性的な行為をする目的で被害者のあとをつけて女性用トイレに入り、盗んだ包丁で多数回突き刺した殺人」だと指摘し、「保護処分による更生の見込みは非常に乏しい」として懲役10年以上15年以下の不定期刑を求めていました。
一方、弁護側は、少年が4歳離れた兄から首を絞めるなどの暴力を受けていた上に、家庭ではネグレクトのほか性的虐待も受けていたことなどを指摘した上で、「トラウマを放置し必要な治療を怠れば再犯の可能性が高まる」「医療少年院で治療を受けさせるべき」と保護処分を主張していました。
25日午後3時から行われた判決公判で、福岡地裁の武林仁美裁判長は、「小学5年生以降、家族と離れて虐待を受けることがない施設などに入所していたので、成育歴の影響を考慮することにも限界がある。非常に残虐、凶悪な犯行によって1人の生命を奪うという取り返しのつかない結果を生じさせるとともに、社会も大きく動揺させた被告人が、その人格的な未熟さや成育歴等を理由に保護処分を受けることは、社会的に許容し難く、弁護人の主張は採用できない」と指摘。
さらに「反省や謝罪の態度が見られないことを考慮すると、現時点では再犯のおそれが大きいと言わざるをえない。今後、刑務所内で正しい生活習慣と社会のルールを身に着けるとともに、信頼できる人間関係を構築していくことで、自らを省みて事件や被害者らと向き合い更生することも、まったく不可能なわけではないと考えられる」として、検察の求刑通り、少年に対し懲役10年以上15年以下の不定期刑判決を言い渡しました。
その後、裁判長は少年に対し「人間クズはクズのまま変わることはない、とあなたは言いました。他方で自分を絶対に変えないといけない、と言っていました。あなたは変わらないといけないと思います。『自分を変えないといけない』というのは本心だと思います。長い年月で被害者や遺族に正面から向き合って、心から謝罪の気持ちを持てるよう信じています」と語りました。
これに対し少年は何も答えませんでした。
判決によると、少年(当時15)は2020年8月、福岡市の商業施設1階の女性用トイレで、買い物に訪れていた面識のない女性(当時21)を包丁で刺して殺害しました。
福岡地裁で開かれたこれまでの裁判員裁判で、少年は起訴内容を認めていて、最大の焦点は、当時15歳の少年に「刑事罰を科すべき」か、「保護処分にするべき」か、でした。
検察側は「性的な行為をする目的で被害者のあとをつけて女性用トイレに入り、盗んだ包丁で多数回突き刺した殺人」だと指摘し、「保護処分による更生の見込みは非常に乏しい」として懲役10年以上15年以下の不定期刑を求めていました。
一方、弁護側は、少年が4歳離れた兄から首を絞めるなどの暴力を受けていた上に、家庭ではネグレクトのほか性的虐待も受けていたことなどを指摘した上で、「トラウマを放置し必要な治療を怠れば再犯の可能性が高まる」「医療少年院で治療を受けさせるべき」と保護処分を主張していました。
25日午後3時から行われた判決公判で、福岡地裁の武林仁美裁判長は、「小学5年生以降、家族と離れて虐待を受けることがない施設などに入所していたので、成育歴の影響を考慮することにも限界がある。非常に残虐、凶悪な犯行によって1人の生命を奪うという取り返しのつかない結果を生じさせるとともに、社会も大きく動揺させた被告人が、その人格的な未熟さや成育歴等を理由に保護処分を受けることは、社会的に許容し難く、弁護人の主張は採用できない」と指摘。
さらに「反省や謝罪の態度が見られないことを考慮すると、現時点では再犯のおそれが大きいと言わざるをえない。今後、刑務所内で正しい生活習慣と社会のルールを身に着けるとともに、信頼できる人間関係を構築していくことで、自らを省みて事件や被害者らと向き合い更生することも、まったく不可能なわけではないと考えられる」として、検察の求刑通り、少年に対し懲役10年以上15年以下の不定期刑判決を言い渡しました。
その後、裁判長は少年に対し「人間クズはクズのまま変わることはない、とあなたは言いました。他方で自分を絶対に変えないといけない、と言っていました。あなたは変わらないといけないと思います。『自分を変えないといけない』というのは本心だと思います。長い年月で被害者や遺族に正面から向き合って、心から謝罪の気持ちを持てるよう信じています」と語りました。
これに対し少年は何も答えませんでした。
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