2023/01/25 19:15
強盗の背後に「闇バイト」 元詐欺Gリーダーが語る実態 「月収2000万円」「破滅しかない」【福岡】
暮らし
2023/01/27 19:25
東京都内で90歳の女性が殺害された強盗殺人事件を始め、全国で相次ぐ強盗事件の実行役に共通していると見られるのが「闇バイト」です。
TNCは、「闇バイト」をしたことがあるという人物に取材を重ね、簡単に踏み入れてはならないその危険性に迫りました。
◆元特殊詐欺リーダー格 フナイムさん
「僕自身が5年4カ月の懲役を経て、2021年に出所してるんですけど」
2021年、刑務所を出所したという男性。
現在は刑務所で呼ばれていた番号「2716」にちなみ、フナイムという名前で、東京・歌舞伎町を中心に慈善活動に取り組んでいます。
そのフナイムさん、元は特殊詐欺グループのリーダー格でした。
◆元特殊詐欺リーダー格 フナイムさん
「指示する側からしたら『受け子』っていうのは、今回でいう強盗(実行役)は『切り捨て要員』なので、捕まったら捕まったでしょうがないみたいな。『じゃあもうさよなら~』ていう感じですね。一切関係ない」
今、関東地方を中心に相次いでいる強盗事件。
中でも、1月19日に東京・狛江市で大塩衣与さん(90)が両手を縛られた状態で殺害された強盗殺人事件は、その残虐性が特に際立っています。
これらの事件の背景に共通していると見られているのが「闇バイト」。
SNSで「闇バイト」に応募した実行役が事件を起こしていると見られています。
◆検察側(取材による)
「被告人はSNSで日当100万円の投稿を見つけ応募した」
関東での連続強盗事件に関わったとされるメンバーの関与も指摘されている山口県岩国市で起きた強盗未遂事件。
実行役とされる被告の男(26)の裁判で、検察側は次のように指摘しました。
◆検察側(取材による)
「被告人は氏名不詳者の指示に従い強盗することにした」
「事件当日、『被害者宅には金庫が2つ、1億円ある』『人がいたら縛っちゃおう』と説明を受けた」
実行役を闇バイトで集めるこうした手法は、特殊詐欺の手口と同じ。
被害者から現金を受け取る、いわゆる「受け子」はほとんどが「闇バイト」で集められます。
「闇バイト」と検索してみるとー
◆インターネット上の画面
「急募!2名のみ募集します!早い者勝ちです!」
◆インターネット上の画面
「初心者問題なし 仕事は日払いになります!」
ネット上は「闇バイト」の希望者を募る投稿であふれかえっていました。
特殊詐欺グループのリーダー格として逮捕されたフナイムさんも、犯罪に手を染めたことになったきっかけは「闇バイト」だったと明かします。
◆元特殊詐欺リーダー格 フナイムさん
「(知人から)『儲かる昼の仕事がある』ということで、『高級時計を付けてみたりできるよ!』と。そこで行われていたことが融資保証金詐欺」
フナイムさんがはじめに担当したのは、金融機関の担当者を装って電話をかける役。
犯罪だと分かりつつも、やめられない事情がありました。
◆元特殊詐欺リーダー格 フナイムさん
「反社の感じを出してきたんですよね、僕を誘ってきた人間が。『ここで抜けたら…』みたいなことも言われていたところもありましたし、だから抜けるに抜けれなかったです」
次第に犯罪を行っているという感覚は薄れ、裏社会で築いた人脈を頼りに特殊詐欺グループのリーダー格となっていました。
◆元特殊詐欺リーダー格 フナイムさん
「最高月収で2000万円ですね。1回そういった金額をいただいてしまうと、迂闊にやめられなくなったりですね」
リーダー格だった当時、闇バイトで金の受け取りを担っていた「受け子」への印象を尋ねるとー
◆元特殊詐欺リーダー格 フナイムさん
「お金を外注の受け子グループが取りに行くんですけど、道具です。要は、お金払ってるんだから、それなりの仕事してもらわないと困りますよ、という話ですよね」
フナイムさんによると、電話などをかける「詐欺集団」と受け子は別のグループ。
受け子にはリクルートを専門に扱う「闇バイト」業者があり、そのトップに詐欺で得た収入の30%を支払うだけの関係で、たとえ受け子が捕まったとしても何の痛手にもならないと話します。
◆元特殊詐欺リーダー格 フナイムさん
「捕まったら捕まったでしょうがないみたいな。『じゃあもうさよなら』ていう感じですね。一切関係ない」
TNCは、「受け子」として窃盗罪で起訴され、執行猶予5年の判決を受けた男性(20代)に取材を申し込みました。
そして届いた回答にはー
◆元受け子からの回答文
『高収入、グレーバイトと求人募集していた、債権回収に応募し』
『その翌日に喫茶店に呼び出され身分証明書と携帯の連絡先を写真で撮られて情報を抜かれました』
『受け取った高額な報酬で犯罪を仕事だと錯覚していました』
『闇バイトに手を染めた事は、後悔してもしきれないです』
男性から寄せられた文面には「後悔」と「罪悪感」の文字が並んでいました。
◆元特殊詐欺リーダー格 フナイムさん
「闇バイトに手を出すと破滅しかありません。要は、犯罪っていうのは加害者自身、加害者の家族、または被害者、被害者の家族全てを闇に落とします。それが闇バイト」
「闇バイト」を機に始まった転落の人生ー。
フナイムさんは、同じ過ちに手を染める人がいなくなるよう、詐欺の撲滅や防止の啓発活動に力を入れていると言います。
◆元特殊詐欺リーダー格 フナイムさん
「一時の10万円、20万円で一生を棒に振るのであれば、もっと知識をつければ稼げる仕事なんていっぱいあるんで、自分の本当にやりたいこと、お金じゃなくてね、そこを追ってもらいたいなと思います。若者に向けてね」
TNCは、「闇バイト」をしたことがあるという人物に取材を重ね、簡単に踏み入れてはならないその危険性に迫りました。
◆元特殊詐欺リーダー格 フナイムさん
「僕自身が5年4カ月の懲役を経て、2021年に出所してるんですけど」
2021年、刑務所を出所したという男性。
現在は刑務所で呼ばれていた番号「2716」にちなみ、フナイムという名前で、東京・歌舞伎町を中心に慈善活動に取り組んでいます。
そのフナイムさん、元は特殊詐欺グループのリーダー格でした。
◆元特殊詐欺リーダー格 フナイムさん
「指示する側からしたら『受け子』っていうのは、今回でいう強盗(実行役)は『切り捨て要員』なので、捕まったら捕まったでしょうがないみたいな。『じゃあもうさよなら~』ていう感じですね。一切関係ない」
今、関東地方を中心に相次いでいる強盗事件。
中でも、1月19日に東京・狛江市で大塩衣与さん(90)が両手を縛られた状態で殺害された強盗殺人事件は、その残虐性が特に際立っています。
これらの事件の背景に共通していると見られているのが「闇バイト」。
SNSで「闇バイト」に応募した実行役が事件を起こしていると見られています。
◆検察側(取材による)
「被告人はSNSで日当100万円の投稿を見つけ応募した」
関東での連続強盗事件に関わったとされるメンバーの関与も指摘されている山口県岩国市で起きた強盗未遂事件。
実行役とされる被告の男(26)の裁判で、検察側は次のように指摘しました。
◆検察側(取材による)
「被告人は氏名不詳者の指示に従い強盗することにした」
「事件当日、『被害者宅には金庫が2つ、1億円ある』『人がいたら縛っちゃおう』と説明を受けた」
実行役を闇バイトで集めるこうした手法は、特殊詐欺の手口と同じ。
被害者から現金を受け取る、いわゆる「受け子」はほとんどが「闇バイト」で集められます。
「闇バイト」と検索してみるとー
◆インターネット上の画面
「急募!2名のみ募集します!早い者勝ちです!」
◆インターネット上の画面
「初心者問題なし 仕事は日払いになります!」
ネット上は「闇バイト」の希望者を募る投稿であふれかえっていました。
特殊詐欺グループのリーダー格として逮捕されたフナイムさんも、犯罪に手を染めたことになったきっかけは「闇バイト」だったと明かします。
◆元特殊詐欺リーダー格 フナイムさん
「(知人から)『儲かる昼の仕事がある』ということで、『高級時計を付けてみたりできるよ!』と。そこで行われていたことが融資保証金詐欺」
フナイムさんがはじめに担当したのは、金融機関の担当者を装って電話をかける役。
犯罪だと分かりつつも、やめられない事情がありました。
◆元特殊詐欺リーダー格 フナイムさん
「反社の感じを出してきたんですよね、僕を誘ってきた人間が。『ここで抜けたら…』みたいなことも言われていたところもありましたし、だから抜けるに抜けれなかったです」
次第に犯罪を行っているという感覚は薄れ、裏社会で築いた人脈を頼りに特殊詐欺グループのリーダー格となっていました。
◆元特殊詐欺リーダー格 フナイムさん
「最高月収で2000万円ですね。1回そういった金額をいただいてしまうと、迂闊にやめられなくなったりですね」
リーダー格だった当時、闇バイトで金の受け取りを担っていた「受け子」への印象を尋ねるとー
◆元特殊詐欺リーダー格 フナイムさん
「お金を外注の受け子グループが取りに行くんですけど、道具です。要は、お金払ってるんだから、それなりの仕事してもらわないと困りますよ、という話ですよね」
フナイムさんによると、電話などをかける「詐欺集団」と受け子は別のグループ。
受け子にはリクルートを専門に扱う「闇バイト」業者があり、そのトップに詐欺で得た収入の30%を支払うだけの関係で、たとえ受け子が捕まったとしても何の痛手にもならないと話します。
◆元特殊詐欺リーダー格 フナイムさん
「捕まったら捕まったでしょうがないみたいな。『じゃあもうさよなら』ていう感じですね。一切関係ない」
TNCは、「受け子」として窃盗罪で起訴され、執行猶予5年の判決を受けた男性(20代)に取材を申し込みました。
そして届いた回答にはー
◆元受け子からの回答文
『高収入、グレーバイトと求人募集していた、債権回収に応募し』
『その翌日に喫茶店に呼び出され身分証明書と携帯の連絡先を写真で撮られて情報を抜かれました』
『受け取った高額な報酬で犯罪を仕事だと錯覚していました』
『闇バイトに手を染めた事は、後悔してもしきれないです』
男性から寄せられた文面には「後悔」と「罪悪感」の文字が並んでいました。
◆元特殊詐欺リーダー格 フナイムさん
「闇バイトに手を出すと破滅しかありません。要は、犯罪っていうのは加害者自身、加害者の家族、または被害者、被害者の家族全てを闇に落とします。それが闇バイト」
「闇バイト」を機に始まった転落の人生ー。
フナイムさんは、同じ過ちに手を染める人がいなくなるよう、詐欺の撲滅や防止の啓発活動に力を入れていると言います。
◆元特殊詐欺リーダー格 フナイムさん
「一時の10万円、20万円で一生を棒に振るのであれば、もっと知識をつければ稼げる仕事なんていっぱいあるんで、自分の本当にやりたいこと、お金じゃなくてね、そこを追ってもらいたいなと思います。若者に向けてね」
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