2022/10/31 19:00
大けがの映像「見られなかった」 左膝手術から7カ月、ソフトバンク栗原が明かす苦悩と決意
ホークス
2022/11/15 13:00
ソフトバンクの栗原陵矢外野手(26)が大けがからの復活を目指す来シーズンへ向けて本格的に動き出した。プレー中に左膝前十字靱帯(じんたい)を断裂、その後手術を受けて7カ月あまり。長いリハビリ生活を経て、現在は宮崎秋季キャンプで精力的に汗を流している。
栗原の球団公式プロフィルでは身長179センチ、体重80キロ。リハビリ中のウエートトレーニングで体つきが一回り大きくなったように見えるが体重が激増したというわけではない。「いま82キロくらいですかね。脂肪というか、いらないものを落として筋肉に変えた感じ」。マッチョと話題になっていることに「全然ですよ、まだまだ」と謙遜しながら笑った。
3月30日、ZOZOマリンスタジアムでのロッテ戦、9回2死の守備。左翼の栗原は左中間への浅い飛球を追う際に中堅手との交錯を避けようとして左膝を痛め、担架で運ばれ退場した。開幕5試合で2本塁打、5打点と好スタートを切った若き主軸打者の衝撃的なシーン。テレビやネット等で繰り返し流されたあの映像を、栗原本人は実際に見たのだろうか。思い出すのもつらいであろうことを承知で尋ねると、栗原は少し間をおいて答えた。
「1回だけですかね。もう、見られなかったですね…はい」
その1回も、自分から望んで見たわけではない。
「自分で見たというよりも、何かこう、トレーナーの方にこういうふうになったから靱帯が切れちゃったんだねっていうのを、解説を聞きながら、一緒に見た感じです。自分で見たという感じではなかった」
負傷翌日、小久保裕紀2軍監督に電話をもらった。現役時代の2003年、オープン戦で本塁突入の際に負傷した小久保2軍監督はプロ人生で初めてシーズンを棒に振った。前十字靱帯など複数箇所を断裂、損傷する大けがで選手生命も危ぶまれていたが、地道なリハビリの末に翌年、移籍先の巨人で41本塁打を放つなど復活。“経験者”の貴重な言葉は、その段階ではまだ先の見えなかった栗原にとって大きな希望となった。
「本当に、必ず良くなる、必ず治ってまたプレーできる、と。言い方は悪いけど、つまらない毎日、淡々とした毎日になってしまうかもしれなくても、一日一日の積み重ねが必ず生きてくるからということを話してもらいました。(リハビリは)モチベーションというところで難しかったけど、そのことを考えながら一生懸命やりました」
リハビリ中は1軍の試合もチェックしていたという。順調ならキャリアハイの成績を残しそうなスタートを切っていただけに複雑な思いがあったことは想像に難くない。「悔しかった。自分もあのグラウンドにいて優勝争いをしたかった」。シーズン最終戦まで激闘を繰り広げたチーム。その場に自分がいないことも受け止めた上でリハビリに励み、シーズンが終わるころには打撃に関してはほとんどけがの影響がないところまでに回復した。日本シリーズに進出した場合に代打で復帰するプランも浮上した一方、藤本監督からは来年を見据えて一つの案を持ちかけられた。
「シーズン途中に監督と話をさせてもらう機会があって、その中で『来年ちょっとサードどうや』といった話をしてもらいました。その時点で、僕の中でも『やりたいな』という気持ちがあった」
リーグ優勝、日本シリーズ進出を逃したチームは10月下旬に再始動。ペイペイドームで行われた秋季練習中に栗原も合流し、宮崎キャンプでは三塁の守備練習に本格的に取り組んでいる。もともと捕手で今季から登録が外野手に変更されたばかり。故障明けの負担を減らす意味もあるとはいえ、栗原は努めて前向きに三塁へのコンバートを受け止めている。
「大変だけど、面白さも感じている。難しさはもちろんあるけど、そういうものなのかなと思ってやっています。本当に、どんどん若いいい選手がたくさん出てくるので、そこに負けないように。(捕手、内外野の)結構いろんなポジションを守ってきたのでサード一本で勝負したい思いはあるし、その中でゴールデングラブ賞は(いずれは)取りたいなと思う賞ではあります」
左膝の回復具合は本人によると80パーセントほど。オフの間にさらにコンディションを上げていけば、順調なら実戦復帰は来春の練習試合かオープン戦、そして本拠地ペイペイドームのグラウンドに立つことになる。「大勢の観衆の前で野球をやりたいなっていう気持ちが強い。そこを目指して、これからも一生懸命やりたいと思っています」。数カ月後の自らの姿をはっきりとイメージした上で、復活を懸ける来年の目標をこう掲げた。
「一年間グラウンドに立ち続けたい」
(YouTube「ももスポチャンネル」より)
栗原の球団公式プロフィルでは身長179センチ、体重80キロ。リハビリ中のウエートトレーニングで体つきが一回り大きくなったように見えるが体重が激増したというわけではない。「いま82キロくらいですかね。脂肪というか、いらないものを落として筋肉に変えた感じ」。マッチョと話題になっていることに「全然ですよ、まだまだ」と謙遜しながら笑った。
3月30日、ZOZOマリンスタジアムでのロッテ戦、9回2死の守備。左翼の栗原は左中間への浅い飛球を追う際に中堅手との交錯を避けようとして左膝を痛め、担架で運ばれ退場した。開幕5試合で2本塁打、5打点と好スタートを切った若き主軸打者の衝撃的なシーン。テレビやネット等で繰り返し流されたあの映像を、栗原本人は実際に見たのだろうか。思い出すのもつらいであろうことを承知で尋ねると、栗原は少し間をおいて答えた。
「1回だけですかね。もう、見られなかったですね…はい」
その1回も、自分から望んで見たわけではない。
「自分で見たというよりも、何かこう、トレーナーの方にこういうふうになったから靱帯が切れちゃったんだねっていうのを、解説を聞きながら、一緒に見た感じです。自分で見たという感じではなかった」
負傷翌日、小久保裕紀2軍監督に電話をもらった。現役時代の2003年、オープン戦で本塁突入の際に負傷した小久保2軍監督はプロ人生で初めてシーズンを棒に振った。前十字靱帯など複数箇所を断裂、損傷する大けがで選手生命も危ぶまれていたが、地道なリハビリの末に翌年、移籍先の巨人で41本塁打を放つなど復活。“経験者”の貴重な言葉は、その段階ではまだ先の見えなかった栗原にとって大きな希望となった。
「本当に、必ず良くなる、必ず治ってまたプレーできる、と。言い方は悪いけど、つまらない毎日、淡々とした毎日になってしまうかもしれなくても、一日一日の積み重ねが必ず生きてくるからということを話してもらいました。(リハビリは)モチベーションというところで難しかったけど、そのことを考えながら一生懸命やりました」
リハビリ中は1軍の試合もチェックしていたという。順調ならキャリアハイの成績を残しそうなスタートを切っていただけに複雑な思いがあったことは想像に難くない。「悔しかった。自分もあのグラウンドにいて優勝争いをしたかった」。シーズン最終戦まで激闘を繰り広げたチーム。その場に自分がいないことも受け止めた上でリハビリに励み、シーズンが終わるころには打撃に関してはほとんどけがの影響がないところまでに回復した。日本シリーズに進出した場合に代打で復帰するプランも浮上した一方、藤本監督からは来年を見据えて一つの案を持ちかけられた。
「シーズン途中に監督と話をさせてもらう機会があって、その中で『来年ちょっとサードどうや』といった話をしてもらいました。その時点で、僕の中でも『やりたいな』という気持ちがあった」
リーグ優勝、日本シリーズ進出を逃したチームは10月下旬に再始動。ペイペイドームで行われた秋季練習中に栗原も合流し、宮崎キャンプでは三塁の守備練習に本格的に取り組んでいる。もともと捕手で今季から登録が外野手に変更されたばかり。故障明けの負担を減らす意味もあるとはいえ、栗原は努めて前向きに三塁へのコンバートを受け止めている。
「大変だけど、面白さも感じている。難しさはもちろんあるけど、そういうものなのかなと思ってやっています。本当に、どんどん若いいい選手がたくさん出てくるので、そこに負けないように。(捕手、内外野の)結構いろんなポジションを守ってきたのでサード一本で勝負したい思いはあるし、その中でゴールデングラブ賞は(いずれは)取りたいなと思う賞ではあります」
左膝の回復具合は本人によると80パーセントほど。オフの間にさらにコンディションを上げていけば、順調なら実戦復帰は来春の練習試合かオープン戦、そして本拠地ペイペイドームのグラウンドに立つことになる。「大勢の観衆の前で野球をやりたいなっていう気持ちが強い。そこを目指して、これからも一生懸命やりたいと思っています」。数カ月後の自らの姿をはっきりとイメージした上で、復活を懸ける来年の目標をこう掲げた。
「一年間グラウンドに立ち続けたい」
(YouTube「ももスポチャンネル」より)
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