2022/09/20 11:35
福岡・鹿児島3児死亡 TNC独自取材 父親が事件前に語った“後悔” 初公判で“養子の暴行死”否認
暮らし
2022/09/20 20:55
福岡県飯塚市と鹿児島市で子供3人の遺体が見つかり、殺人の罪などに問われた父親の裁判員裁判。
20日の初公判で、被告の父親は起訴内容を一部否認し、争う姿勢を見せました。
◆田中被告へのインタビュー(2020年10月)
記者「あちらの席の真ん中にお座りください」
田中被告「どういった内容から?」
記者「会話の中でどんどんうかがっていきたいなと」
田中被告「俺も10年以上前の話やけん」
事件発覚の4か月前、別の事件の取材でTNCのインタビューに答えていた人物。
3人の我が子供に手をかけ死亡させたとされる田中涼二被告(42)です。
20日、福岡地裁で、田中被告の裁判員裁判の初公判が開かれました。
田中被告は車椅子で入廷。
頭を丸刈りにし、終始うつむきがちで証言台に立ちました。
◆初公判でのやりとり
裁判長「名前は?」
田中被告「田中涼二」
裁判長「職業は?」
田中被告「無職」
◆「福岡NEWSファイルCUBE」(去年2月27日OAより)
「おととい午後、飯塚市の団地で9歳とみられる男の子が死亡しているのが見つかり、同居する家族を探していた警察が、昨夜、鹿児島市内のホテルで幼い2人のきょうだいの遺体を発見しました」
事件が発覚したのは去年2月のことでした。
起訴状などによりますと、田中被告は鹿児島市内のホテルで長男の蓮翔(れんと)君(当時3)の胸をナイフで刺したあと首を締めて殺害。
一緒にいた長女の姫奈(ひな)ちゃん(当時2)の首も絞めて殺害したとされます。
事件を起こした田中被告は、自らもホテルのベランダから飛び降りて大けがをしました。
さらにこの事件前の去年1月以降、元妻の子供で当時小学3年だった養子の大翔(ひろと)君(当時9)に暴行を繰り返して外傷性ショックで死亡させ、遺体を飯塚市の自宅に放置したとされています。
初公判の冒頭、田中被告は裁判長の問いかけに対してー
◆初公判でのやりとり
裁判長「読み上げた公訴事実と違うところはありますか?」
田中被告「大翔にケガをさせたことは間違いありませんが、私の暴行で大翔が死んだかは分かりません。…他は間違いありません」
実の子2人の殺害は認めた一方、養子の大翔くんに対する傷害致死などについては「否認」しました。
TNCの取材によると、田中被告は筑後地区に拠点を構える暴力団の元組員でした。
7年ほど前に組織を脱退、その後は建築作業員として働いていました。
そして、2020年12月に妻と離婚し、田中被告は子供3人と暮らしていました。
事件を起こす前、田中被告はTNCのインタビューで過去の自分を後悔する発言をしていました。
◆田中被告へのインタビュー(2020年10月)
「今、自分の子供が3人いますけど。(暴力団も辞めて)今の子供たちにも胸を張って言える父親になれとろうし。自分は殺人はしてないけど、それなりの悪さはひと通りしてきて、いくとこまでいってきたんで。自分自身で自分が何かをして自分が苦しい思いをするのは自分のせいやないですか。自分だけが苦しめばいいだけやないですか。人に迷惑をかけて関係ない人間を苦しめるようなことをしたらいけないと思いますよね」
検察側の証拠調べによると、田中被告は大翔くんが死亡したのを確認した後、福岡市内でレンタカーを借りました。
そして蓮翔君と姫奈ちゃんを連れて宮崎県串間市へ向かい、知人に金を無心。
その後、鹿児島市内のホテルに入り、事件は起きました。
事件当時、鹿児島入りした理由について、田中被告は捜査関係者に次のように説明していました。
◆田中被告の供述(捜査関係者によると)
「最後の思い出作りをしてあげたかった」
田中被告は実の子・蓮翔君と姫奈ちゃんの写真をSNSに数多く投稿。
子煩悩な一面を見せていた反面、養子の大翔君に対しては「厳しく当たっていた」と証言したのは、大翔君の実の母親で田中被告の元妻でした。
◆検察と元妻やりとり(初公判)
検察「大翔君と蓮翔君と姫奈ちゃんとの接し方は?」
元妻「天と地くらい違う」
検察「田中被告は大翔君にはどんなことを?」
元妻「無視か、部屋に閉じ込めるか」
検察「そのほかには?」
元妻「酔っぱらって大翔にプロレスの関節技を決めて、よく泣いていました」
さらに裁判では田中被告が鹿児島のホテルに残したとされる遺書も読み上げられましたが、「書き出し」に大翔君の名前はありませんでした。
◆検察側による“遺書”の読み上げ(初公判)
『私、蓮翔、姫奈が3人ずっと一緒にいれられるように火葬してください』
『最後まで本当にすみません』
『気づいたら手遅れでした』
検察側は冒頭陳述で「育児のストレスで大翔君を何度も暴行した犯行態様は非常に悪質」「度重なる暴行による外傷性ショックで大翔君は死亡した」と厳しく指摘。
一方の弁護側は、”大翔君は死亡時、肺炎にかかっていて、肺炎で亡くなった可能性も否めず”傷害致死罪は成立しないと主張しています。
何の罪もない子供3人の命が奪われたこの事件。
21日は、田中被告の被告人質問が予定されています。
20日の初公判で、被告の父親は起訴内容を一部否認し、争う姿勢を見せました。
◆田中被告へのインタビュー(2020年10月)
記者「あちらの席の真ん中にお座りください」
田中被告「どういった内容から?」
記者「会話の中でどんどんうかがっていきたいなと」
田中被告「俺も10年以上前の話やけん」
事件発覚の4か月前、別の事件の取材でTNCのインタビューに答えていた人物。
3人の我が子供に手をかけ死亡させたとされる田中涼二被告(42)です。
20日、福岡地裁で、田中被告の裁判員裁判の初公判が開かれました。
田中被告は車椅子で入廷。
頭を丸刈りにし、終始うつむきがちで証言台に立ちました。
◆初公判でのやりとり
裁判長「名前は?」
田中被告「田中涼二」
裁判長「職業は?」
田中被告「無職」
◆「福岡NEWSファイルCUBE」(去年2月27日OAより)
「おととい午後、飯塚市の団地で9歳とみられる男の子が死亡しているのが見つかり、同居する家族を探していた警察が、昨夜、鹿児島市内のホテルで幼い2人のきょうだいの遺体を発見しました」
事件が発覚したのは去年2月のことでした。
起訴状などによりますと、田中被告は鹿児島市内のホテルで長男の蓮翔(れんと)君(当時3)の胸をナイフで刺したあと首を締めて殺害。
一緒にいた長女の姫奈(ひな)ちゃん(当時2)の首も絞めて殺害したとされます。
事件を起こした田中被告は、自らもホテルのベランダから飛び降りて大けがをしました。
さらにこの事件前の去年1月以降、元妻の子供で当時小学3年だった養子の大翔(ひろと)君(当時9)に暴行を繰り返して外傷性ショックで死亡させ、遺体を飯塚市の自宅に放置したとされています。
初公判の冒頭、田中被告は裁判長の問いかけに対してー
◆初公判でのやりとり
裁判長「読み上げた公訴事実と違うところはありますか?」
田中被告「大翔にケガをさせたことは間違いありませんが、私の暴行で大翔が死んだかは分かりません。…他は間違いありません」
実の子2人の殺害は認めた一方、養子の大翔くんに対する傷害致死などについては「否認」しました。
TNCの取材によると、田中被告は筑後地区に拠点を構える暴力団の元組員でした。
7年ほど前に組織を脱退、その後は建築作業員として働いていました。
そして、2020年12月に妻と離婚し、田中被告は子供3人と暮らしていました。
事件を起こす前、田中被告はTNCのインタビューで過去の自分を後悔する発言をしていました。
◆田中被告へのインタビュー(2020年10月)
「今、自分の子供が3人いますけど。(暴力団も辞めて)今の子供たちにも胸を張って言える父親になれとろうし。自分は殺人はしてないけど、それなりの悪さはひと通りしてきて、いくとこまでいってきたんで。自分自身で自分が何かをして自分が苦しい思いをするのは自分のせいやないですか。自分だけが苦しめばいいだけやないですか。人に迷惑をかけて関係ない人間を苦しめるようなことをしたらいけないと思いますよね」
検察側の証拠調べによると、田中被告は大翔くんが死亡したのを確認した後、福岡市内でレンタカーを借りました。
そして蓮翔君と姫奈ちゃんを連れて宮崎県串間市へ向かい、知人に金を無心。
その後、鹿児島市内のホテルに入り、事件は起きました。
事件当時、鹿児島入りした理由について、田中被告は捜査関係者に次のように説明していました。
◆田中被告の供述(捜査関係者によると)
「最後の思い出作りをしてあげたかった」
田中被告は実の子・蓮翔君と姫奈ちゃんの写真をSNSに数多く投稿。
子煩悩な一面を見せていた反面、養子の大翔君に対しては「厳しく当たっていた」と証言したのは、大翔君の実の母親で田中被告の元妻でした。
◆検察と元妻やりとり(初公判)
検察「大翔君と蓮翔君と姫奈ちゃんとの接し方は?」
元妻「天と地くらい違う」
検察「田中被告は大翔君にはどんなことを?」
元妻「無視か、部屋に閉じ込めるか」
検察「そのほかには?」
元妻「酔っぱらって大翔にプロレスの関節技を決めて、よく泣いていました」
さらに裁判では田中被告が鹿児島のホテルに残したとされる遺書も読み上げられましたが、「書き出し」に大翔君の名前はありませんでした。
◆検察側による“遺書”の読み上げ(初公判)
『私、蓮翔、姫奈が3人ずっと一緒にいれられるように火葬してください』
『最後まで本当にすみません』
『気づいたら手遅れでした』
検察側は冒頭陳述で「育児のストレスで大翔君を何度も暴行した犯行態様は非常に悪質」「度重なる暴行による外傷性ショックで大翔君は死亡した」と厳しく指摘。
一方の弁護側は、”大翔君は死亡時、肺炎にかかっていて、肺炎で亡くなった可能性も否めず”傷害致死罪は成立しないと主張しています。
何の罪もない子供3人の命が奪われたこの事件。
21日は、田中被告の被告人質問が予定されています。
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