4時間前
食中毒は「3月が最多」…主な原因はアニサキスなど寄生虫 世界初“電気ショック”で死滅させる装置が福岡に 魚の見た目も味もほぼ変わらず
暮らし
3時間前
重症化すると命に関わる危険もある食中毒、1年の中で発生件数が最も多いのは3月です。
意外にも思えますが、いったいなぜなのか、その実態を取材しました。
■特殊ライトに浮かび上がる無数の物体
再生回数は1800万回以上と、SNSで大きな話題を集めた動画があります。
それを街の人に見てもらうと…。
◆街の人
「ええ、なんか気持ち悪い…何だろう?入っている…魚の中に入っているのかなという感じで」
「白い。もにょもにょしている」
「この線状のやつでしょ?内蔵の中を侵食している感じ」
気持ち悪いけれどもクギ付けになってしまうという動画に映っているのは、腹が開いた大きなサバ。
そこに特殊なライトを当てると浮かび上がってきたのはにょろにょろとした無数の白い糸状の物体です。
内臓から側面までびっしりと付着していて、その数なんと約200匹!
この糸状の物体の正体が寄生虫「アニサキス」です。
アニサキスとはサバやアジ、イワシなど、私たちが日ごろ食卓で口にする身近な魚に寄生している生物で、食中毒の原因となります。
◆熊本大学 産業ナノマテリアル研究所 浪平隆男 准教授
「お刺身等と一緒に食べてしまうと、お腹の中で暴れ回った結果、炎症反応を起こして、腹痛や嘔吐、吐き気そういった症状をもたらす。場合によっては胃に穴があくことがある」
食中毒といえば、気温が高く湿気の多い夏の時期に起きやすいというイメージを持つ人も多いかもしれません。
■食中毒「最多は3月」の理由
しかし厚労省がまとめたおととしの月別の食中毒発生件数を見てみると、まさに今の時期「3月が最も多い」という結果になっています。
その原因として最も大きな割合を占めているのが、アニサキスをはじめとした「寄生虫による食中毒」。
福岡県でもおととし、アニサキスによる食中毒が51件も報告されています。
福岡県では博多の郷土料理「ゴマサバ」などサバを生で食べる食文化が根付いていて、県外から訪れる観光客にも人気が高い名物メニューとなっています。
◆熊本大学 産業ナノマテリアル研究所 浪平隆男 准教授
「生のお刺身で食べる場合、冷凍するか、もしくはよくお魚を見てアニサキスがいたら取り除いて食べて下さいという風になってるんですが、どうしても取りこぼしがあったりして食べてしまうと、食中毒を起こす」
厚生労働省はアニサキス中毒の予防策として70℃以上の加熱またはマイナス20℃で24時間以上の冷凍を推奨しています。
しかし、冷凍すると味が落ちたり変色したりするおそれがあります。
そんな中、世界初の装置が福岡で開発されているという情報が。
■世界初 巨大電力でアニサキス退治
10日、取材班が訪れたのは、福岡市東区にある水産加工会社「ジャパンシーフーズ」です。
ここでは、天然物のアジやサバを1日約13トン分加工し出荷しています。
◆ジャパンシーフーズ 井上陽一 社長
「こちらがアジの一次加工ラインになります」
機械でさばかれたアジの切り身は加工ラインで運ばれ、厳重な衛生管理のもと、骨などの異物が残っていないか入念にチェックされます。
そして、水産業界で長年の悩みの種となっているアニサキスを退治する「世界初の装置」は工場の奥に…。
◆ジャパンシーフーズ 井上陽一 社長
「こちらが世界初の『パルス殺虫装置』というものです」
ドラム缶のような青い筒状のこちらの装置。
一体、何がすごいのか?
◆ジャパンシーフーズ 中村謙吾さん
「巨大電力パルスパワーで処理している」
パルスパワーとは、電気エネルギーをためてまばたきの1000分の1の早さで繰り返し発生させる巨大電力のこと。
魚を塩水の中に漬け、蓄積した電力を放出すると瞬く間に魚に寄生していたアニサキスが死滅するという仕組みです。
電力放出は一瞬のため、身の温度がほとんど上がらないのが大きな特徴です。
◆ジャパンシーフーズ 中村謙吾さん
「見た目も分からないし、味もほとんど変わらない。パルス殺虫ができたことによって、冷凍しなくても安心安全な刺身を生でおいしくいただけるようになった」
装置は熊本大学の研究者と連携して3年かけて開発されました。
2017年に芸能人のアニサキス感染が相次ぎ、売り上げが約2割減少した「苦い経験」がきっかけだったといいます。
◆ジャパンシーフーズ 井上陽一 社長
「これは本格的に取り組まなければならない問題だと受け止めて、様々な対策をしてきた。冷凍せずに殺す方法をいろんなことを実験しながら模索した結果、電気にたどり着いた」
魚の品質や味を落とさずにアニサキスを退治できる装置。
将来的には飲食店でも利用できる小型タイプの実用化も目指しているということです。
意外にも思えますが、いったいなぜなのか、その実態を取材しました。
■特殊ライトに浮かび上がる無数の物体
再生回数は1800万回以上と、SNSで大きな話題を集めた動画があります。
それを街の人に見てもらうと…。
◆街の人
「ええ、なんか気持ち悪い…何だろう?入っている…魚の中に入っているのかなという感じで」
「白い。もにょもにょしている」
「この線状のやつでしょ?内蔵の中を侵食している感じ」
気持ち悪いけれどもクギ付けになってしまうという動画に映っているのは、腹が開いた大きなサバ。
そこに特殊なライトを当てると浮かび上がってきたのはにょろにょろとした無数の白い糸状の物体です。
内臓から側面までびっしりと付着していて、その数なんと約200匹!
この糸状の物体の正体が寄生虫「アニサキス」です。
アニサキスとはサバやアジ、イワシなど、私たちが日ごろ食卓で口にする身近な魚に寄生している生物で、食中毒の原因となります。
◆熊本大学 産業ナノマテリアル研究所 浪平隆男 准教授
「お刺身等と一緒に食べてしまうと、お腹の中で暴れ回った結果、炎症反応を起こして、腹痛や嘔吐、吐き気そういった症状をもたらす。場合によっては胃に穴があくことがある」
食中毒といえば、気温が高く湿気の多い夏の時期に起きやすいというイメージを持つ人も多いかもしれません。
■食中毒「最多は3月」の理由
しかし厚労省がまとめたおととしの月別の食中毒発生件数を見てみると、まさに今の時期「3月が最も多い」という結果になっています。
その原因として最も大きな割合を占めているのが、アニサキスをはじめとした「寄生虫による食中毒」。
福岡県でもおととし、アニサキスによる食中毒が51件も報告されています。
福岡県では博多の郷土料理「ゴマサバ」などサバを生で食べる食文化が根付いていて、県外から訪れる観光客にも人気が高い名物メニューとなっています。
◆熊本大学 産業ナノマテリアル研究所 浪平隆男 准教授
「生のお刺身で食べる場合、冷凍するか、もしくはよくお魚を見てアニサキスがいたら取り除いて食べて下さいという風になってるんですが、どうしても取りこぼしがあったりして食べてしまうと、食中毒を起こす」
厚生労働省はアニサキス中毒の予防策として70℃以上の加熱またはマイナス20℃で24時間以上の冷凍を推奨しています。
しかし、冷凍すると味が落ちたり変色したりするおそれがあります。
そんな中、世界初の装置が福岡で開発されているという情報が。
■世界初 巨大電力でアニサキス退治
10日、取材班が訪れたのは、福岡市東区にある水産加工会社「ジャパンシーフーズ」です。
ここでは、天然物のアジやサバを1日約13トン分加工し出荷しています。
◆ジャパンシーフーズ 井上陽一 社長
「こちらがアジの一次加工ラインになります」
機械でさばかれたアジの切り身は加工ラインで運ばれ、厳重な衛生管理のもと、骨などの異物が残っていないか入念にチェックされます。
そして、水産業界で長年の悩みの種となっているアニサキスを退治する「世界初の装置」は工場の奥に…。
◆ジャパンシーフーズ 井上陽一 社長
「こちらが世界初の『パルス殺虫装置』というものです」
ドラム缶のような青い筒状のこちらの装置。
一体、何がすごいのか?
◆ジャパンシーフーズ 中村謙吾さん
「巨大電力パルスパワーで処理している」
パルスパワーとは、電気エネルギーをためてまばたきの1000分の1の早さで繰り返し発生させる巨大電力のこと。
魚を塩水の中に漬け、蓄積した電力を放出すると瞬く間に魚に寄生していたアニサキスが死滅するという仕組みです。
電力放出は一瞬のため、身の温度がほとんど上がらないのが大きな特徴です。
◆ジャパンシーフーズ 中村謙吾さん
「見た目も分からないし、味もほとんど変わらない。パルス殺虫ができたことによって、冷凍しなくても安心安全な刺身を生でおいしくいただけるようになった」
装置は熊本大学の研究者と連携して3年かけて開発されました。
2017年に芸能人のアニサキス感染が相次ぎ、売り上げが約2割減少した「苦い経験」がきっかけだったといいます。
◆ジャパンシーフーズ 井上陽一 社長
「これは本格的に取り組まなければならない問題だと受け止めて、様々な対策をしてきた。冷凍せずに殺す方法をいろんなことを実験しながら模索した結果、電気にたどり着いた」
魚の品質や味を落とさずにアニサキスを退治できる装置。
将来的には飲食店でも利用できる小型タイプの実用化も目指しているということです。
重症化すると命に関わる危険もある食中毒、1年の中で発生件数が最も多いのは3月です。
意外にも思えますが、いったいなぜなのか、その実態を取材しました。
■特殊ライトに浮かび上がる無数の物体
意外にも思えますが、いったいなぜなのか、その実態を取材しました。
■特殊ライトに浮かび上がる無数の物体
再生回数は1800万回以上と、SNSで大きな話題を集めた動画があります。
それを街の人に見てもらうと…。
◆街の人
「ええ、なんか気持ち悪い…何だろう?入っている…魚の中に入っているのかなという感じで」
「白い。もにょもにょしている」
「この線状のやつでしょ?内蔵の中を侵食している感じ」
気持ち悪いけれどもクギ付けになってしまうという動画に映っているのは、腹が開いた大きなサバ。
そこに特殊なライトを当てると浮かび上がってきたのはにょろにょろとした無数の白い糸状の物体です。
内臓から側面までびっしりと付着していて、その数なんと約200匹!
この糸状の物体の正体が寄生虫「アニサキス」です。
アニサキスとはサバやアジ、イワシなど、私たちが日ごろ食卓で口にする身近な魚に寄生している生物で、食中毒の原因となります。
それを街の人に見てもらうと…。
◆街の人
「ええ、なんか気持ち悪い…何だろう?入っている…魚の中に入っているのかなという感じで」
「白い。もにょもにょしている」
「この線状のやつでしょ?内蔵の中を侵食している感じ」
気持ち悪いけれどもクギ付けになってしまうという動画に映っているのは、腹が開いた大きなサバ。
そこに特殊なライトを当てると浮かび上がってきたのはにょろにょろとした無数の白い糸状の物体です。
内臓から側面までびっしりと付着していて、その数なんと約200匹!
この糸状の物体の正体が寄生虫「アニサキス」です。
アニサキスとはサバやアジ、イワシなど、私たちが日ごろ食卓で口にする身近な魚に寄生している生物で、食中毒の原因となります。
◆熊本大学 産業ナノマテリアル研究所 浪平隆男 准教授
「お刺身等と一緒に食べてしまうと、お腹の中で暴れ回った結果、炎症反応を起こして、腹痛や嘔吐、吐き気そういった症状をもたらす。場合によっては胃に穴があくことがある」
食中毒といえば、気温が高く湿気の多い夏の時期に起きやすいというイメージを持つ人も多いかもしれません。
■食中毒「最多は3月」の理由
「お刺身等と一緒に食べてしまうと、お腹の中で暴れ回った結果、炎症反応を起こして、腹痛や嘔吐、吐き気そういった症状をもたらす。場合によっては胃に穴があくことがある」
食中毒といえば、気温が高く湿気の多い夏の時期に起きやすいというイメージを持つ人も多いかもしれません。
■食中毒「最多は3月」の理由
しかし厚労省がまとめたおととしの月別の食中毒発生件数を見てみると、まさに今の時期「3月が最も多い」という結果になっています。
その原因として最も大きな割合を占めているのが、アニサキスをはじめとした「寄生虫による食中毒」。
福岡県でもおととし、アニサキスによる食中毒が51件も報告されています。
福岡県では博多の郷土料理「ゴマサバ」などサバを生で食べる食文化が根付いていて、県外から訪れる観光客にも人気が高い名物メニューとなっています。
◆熊本大学 産業ナノマテリアル研究所 浪平隆男 准教授
「生のお刺身で食べる場合、冷凍するか、もしくはよくお魚を見てアニサキスがいたら取り除いて食べて下さいという風になってるんですが、どうしても取りこぼしがあったりして食べてしまうと、食中毒を起こす」
その原因として最も大きな割合を占めているのが、アニサキスをはじめとした「寄生虫による食中毒」。
福岡県でもおととし、アニサキスによる食中毒が51件も報告されています。
福岡県では博多の郷土料理「ゴマサバ」などサバを生で食べる食文化が根付いていて、県外から訪れる観光客にも人気が高い名物メニューとなっています。
◆熊本大学 産業ナノマテリアル研究所 浪平隆男 准教授
「生のお刺身で食べる場合、冷凍するか、もしくはよくお魚を見てアニサキスがいたら取り除いて食べて下さいという風になってるんですが、どうしても取りこぼしがあったりして食べてしまうと、食中毒を起こす」
厚生労働省はアニサキス中毒の予防策として70℃以上の加熱またはマイナス20℃で24時間以上の冷凍を推奨しています。
しかし、冷凍すると味が落ちたり変色したりするおそれがあります。
そんな中、世界初の装置が福岡で開発されているという情報が。
■世界初 巨大電力でアニサキス退治
しかし、冷凍すると味が落ちたり変色したりするおそれがあります。
そんな中、世界初の装置が福岡で開発されているという情報が。
■世界初 巨大電力でアニサキス退治
10日、取材班が訪れたのは、福岡市東区にある水産加工会社「ジャパンシーフーズ」です。
ここでは、天然物のアジやサバを1日約13トン分加工し出荷しています。
◆ジャパンシーフーズ 井上陽一 社長
「こちらがアジの一次加工ラインになります」
機械でさばかれたアジの切り身は加工ラインで運ばれ、厳重な衛生管理のもと、骨などの異物が残っていないか入念にチェックされます。
ここでは、天然物のアジやサバを1日約13トン分加工し出荷しています。
◆ジャパンシーフーズ 井上陽一 社長
「こちらがアジの一次加工ラインになります」
機械でさばかれたアジの切り身は加工ラインで運ばれ、厳重な衛生管理のもと、骨などの異物が残っていないか入念にチェックされます。
そして、水産業界で長年の悩みの種となっているアニサキスを退治する「世界初の装置」は工場の奥に…。
◆ジャパンシーフーズ 井上陽一 社長
「こちらが世界初の『パルス殺虫装置』というものです」
ドラム缶のような青い筒状のこちらの装置。
一体、何がすごいのか?
◆ジャパンシーフーズ 中村謙吾さん
「巨大電力パルスパワーで処理している」
◆ジャパンシーフーズ 井上陽一 社長
「こちらが世界初の『パルス殺虫装置』というものです」
ドラム缶のような青い筒状のこちらの装置。
一体、何がすごいのか?
◆ジャパンシーフーズ 中村謙吾さん
「巨大電力パルスパワーで処理している」
パルスパワーとは、電気エネルギーをためてまばたきの1000分の1の早さで繰り返し発生させる巨大電力のこと。
魚を塩水の中に漬け、蓄積した電力を放出すると瞬く間に魚に寄生していたアニサキスが死滅するという仕組みです。
電力放出は一瞬のため、身の温度がほとんど上がらないのが大きな特徴です。
◆ジャパンシーフーズ 中村謙吾さん
「見た目も分からないし、味もほとんど変わらない。パルス殺虫ができたことによって、冷凍しなくても安心安全な刺身を生でおいしくいただけるようになった」
魚を塩水の中に漬け、蓄積した電力を放出すると瞬く間に魚に寄生していたアニサキスが死滅するという仕組みです。
電力放出は一瞬のため、身の温度がほとんど上がらないのが大きな特徴です。
◆ジャパンシーフーズ 中村謙吾さん
「見た目も分からないし、味もほとんど変わらない。パルス殺虫ができたことによって、冷凍しなくても安心安全な刺身を生でおいしくいただけるようになった」
装置は熊本大学の研究者と連携して3年かけて開発されました。
2017年に芸能人のアニサキス感染が相次ぎ、売り上げが約2割減少した「苦い経験」がきっかけだったといいます。
◆ジャパンシーフーズ 井上陽一 社長
「これは本格的に取り組まなければならない問題だと受け止めて、様々な対策をしてきた。冷凍せずに殺す方法をいろんなことを実験しながら模索した結果、電気にたどり着いた」
魚の品質や味を落とさずにアニサキスを退治できる装置。
将来的には飲食店でも利用できる小型タイプの実用化も目指しているということです。
2017年に芸能人のアニサキス感染が相次ぎ、売り上げが約2割減少した「苦い経験」がきっかけだったといいます。
◆ジャパンシーフーズ 井上陽一 社長
「これは本格的に取り組まなければならない問題だと受け止めて、様々な対策をしてきた。冷凍せずに殺す方法をいろんなことを実験しながら模索した結果、電気にたどり着いた」
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