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放出の備蓄米は2021年産の「古古古米」も…小泉農水相「5キロ2000円台」発言に期待と疑問の声 米価格の行方を探る 福岡

暮らし

2025/05/26 18:40

小泉農水相は26日、随意契約で備蓄米30万トンを放出する方針を明言しました。

米の価格は下がるのでしょうか、そして販売店はどのように受け止めているのでしょうか。
福岡市西区で米穀店を営む西嶋幸弘さん。

◆姪浜小田部米穀店 西嶋幸弘さん
「いま全体で4トンぐらい全体的にはあるが、これは半月くらいで無くなってしまうので、普通であればここすべて玄米で埋まっている。全然ない方です。けっこうひっ迫しています」

厳しい経営状況の中、いま西嶋さんが思うのが…。

◆姪浜小田部米穀店 西嶋幸弘さん
「なぜ2000円なのか、そこまでちゃんとテレビ越しに見る方にクリーンに伝えてほしいという思いはある」
西嶋さんが発した「2000円」という言葉、実は23日…。

◆小泉 農水相
「前向きなスタートをするには、今のこの異常な高騰はまず冷まさなきゃいけない。そういった思いで今回2000円、こういった形をとらせていただいた」

小泉大臣は、業者を選んで契約する随意契約で放出する備蓄米に経費を乗せ、店頭価格が2000円台となるよう売り渡す方針を明言しました。

備蓄米はこれまで競争入札で最も高い価格を提示した業者に売り渡されていました。

これまでに放出された備蓄米は合わせて約31万トンで、そのうち約95%をJA全農が落札しています。

また1回目と2回目で放出された備蓄米のうち、4月27日までに小売業者に渡った備蓄米はわずか7%ほどにとどまっています。

一方、今回の随意契約ではあらかじめ政府が任意で業者を決定し、小売店などと直接契約します。

対象は大手の小売業者を想定していて、地方に運ぶ輸送費を国が負担することで2000円という価格を実現するとしています。
◆街の人
「安くなるのは確かにうれしい。小泉さん頑張ってほしいです。期待しています」

「うれしいですよね。やはり値下がりは少しでも早く期待しているんですけど」

街では“小泉効果”をはやくも期待する声があがる一方で…。

「2000円ってムリなんじゃないの」

「本当にできるのかなっていうところです。やっぱり口だけみたいなことにならなければいいなって感じです」

と実現を疑問視する声も聴かれました。
そうした中、小泉農水相は26日に…。

◆小泉 農水相
「一層のスピード感と危機感を持ってコメの価格についての国民の皆さまの不安を払拭していく。そのような強い決意のもと、事務方とも連日議論しながら具体的な内容を取りまとめました」

今回の随意契約では2022年産が20万トン、2021年産が10万トンの合わせて30万トンの備蓄米が放出されることになりました。

売り渡し価格は60キロあたり税抜き平均で1万700円で、一般的な経費を乗せた店頭価格はこれまでの在庫分とブレンドしない場合、5キロ当たり2000円ほどとなる水準だということです。

◆姪浜小田部米穀店 西嶋幸弘さん
「見る人が見ないとわからないような見え方。僕が米屋じゃなかったら多分、『安くなった』としか思わない。はっきりと古古米(2022年産)だとか、小泉さんが言うことに意味がある」
昔から米作りが盛んな福津市本木地区。

生産農家の桑野由美さんは早場米の田植えを終え、いまは普通米の準備を進めています。

◆コメ生産農家 桑野由美さん
「今年、米が足りないという事で、少しでも早く田植えをしました。品種はコシヒカリ。次が6月田植えで、10月に収穫できる予定です」
桑野さんは安さを求める消費者の声に理解を示しつつ、事実上、政府がコメの価格を決めることに疑問を感じています。

それは、肥料や燃料費など生産コストは年々上昇していて出荷価格に上乗せしなければ、経営を持続することは難しい現実があるからです。

最終的にはさまざまな価格帯のコメの中から消費者が自由に選ぶべきだと考えています。

◆コメ生産農家 桑野由美さん
「例えば、子供がたくさんいて質より量という人は1000円台とか2000円台のコメがあってもいいと思う。1キロ1000円のコメを買う人もいるかもしれない。それは選択、消費者が選ぶ時代だと思う」

米の価格抑制と安定供給の道筋をどうつけるのか、新大臣の手腕が問われています。

放出される備蓄米は「古古米」と「古古古米」
小泉大臣が26日、発表した備蓄米放出の新しい方式を詳しく見ていきます。

まずは時期、早ければ6月上旬にも店頭に並ぶ見通しです。

そして価格は、利益や経費を上乗せした店頭価格は、税込みで5キロ2160円程度になるそうで、現在の平均価格のほぼ半分です。

そして、備蓄米の収穫時期ですが、放出される30万トンは2022年と2021年に取れた米ということなので「古古米」と「古古古米」です。

これらを踏まえ、2週間後のスーパーの棚をイメージしてみます。

まずは3年前と4年前にとれた備蓄米が5キロ2160円で並びます。

その隣に、去年とれた一般の銘柄米が現在の水準なら4200円程度で並ぶことになります。

この備蓄米の安さにあわせて一般の銘柄米もすぐに安くなるかというと、専門家によるとすでに高値で仕入れた米なので「それはない」とのことでした。

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