2021/11/06 16:00
ソフトバンク小久保2軍監督に聞いた”監督昇格見送り”の本音「自己評価はプロに存在しない」
ホークス
2021/11/08 12:00
8年ぶりのBクラスに沈んだソフトバンクが藤本博史監督(58)の下で再出発した。ヘッドコーチから配置転換となった小久保裕紀2軍監督(50)は4位に終わった今季の成績、また、退任した工藤公康前監督の後任筆頭候補と目されながら昇格が見送られたことをどう受け止めているのか。現役時代の姿勢そのままに「自己評価はプロの世界に存在しない」という小久保2軍監督の本音と新たな立場での指導方針を聞いた。
◇ ◇ ◇
〈指導者として9年ぶりに古巣に復帰した今季、工藤前監督から主に野手部門の強化を任される形のヘッドコーチとして加わった。4年連続日本一のチームに新任で入る難しさも踏まえた上での就任だったが、連覇を逃したこと、4位という結果をどう受け止めているのか〉
野手の部分の底上げ、強化というところで声をかけていだいて、その結果として優勝できなかったこと、Bクラスに終わったことは、(工藤前)監督、フロント、ファンの皆さんにもちろん申し訳ない気持ちでいっぱいです。今年、中に入って一番感じたのは時代の流れというか、マインド。強さというところでいうと、ずっと勝ってきている分、王会長も言われていたが多少の緩みが出ていたのを感じた。そこをうまく締めきれなかったのも僕の責任。そういう部分ではこの秋から来年にかけて、今回2軍監督というポジションに変わり、(プロに)入ってくる選手たちに、まずプロとしての心構え、考え方というところのアプローチを最もできる。強い選手を上(1軍)に送り出すつもりでやっていく。
〈10月中旬に工藤監督の今季限りでの辞任が明らかになって以降、後任候補として複数の名前が挙がった。ヘッドコーチとして古巣復帰した小久保氏はその筆頭と見られていた。「監督に昇格するのは小久保さんだと思っていた。球団に何を求められての2軍監督だと思うか」との問いに、本人の回答は?〉
そんなに厳しくしたつもりはないが「厳しい」「怖い」という話があって、それイコールある意味、自分の仕事をやったからこそ、そういう評価になったのだと思う。でも評価はあくまでも他者が下すもので、自己評価はわれわれプロの世界には存在しない言葉。しっかり自分自身を見つめ直しながら、この球団、組織が強くあるために、どういう人間づくり、人づくりができるかを期待されて、求められての(2軍監督)就任だと思う。ヘッドコーチと2軍監督の役割は全く違う仕事。今回はコーチの方々の意見を吸い上げながら自分が決断することになる。2軍のコーチ陣全員を集めて行った初めてのミーティングで一番最初に持ってきたのが「人間づくり」「人づくり」だった。そういう部分を根底に持ちながらの指導、活動になる。
〈ソフトバンクは体系的に選手を育成する方針をとっており、ファームの首脳陣には選手のレベルに応じてクリアすべき年間の打席数や投球回数の目標などが決められている。その上で小久保2軍監督は1軍にどんな選手を送り出すことをメージしているのか〉
基礎中の基礎として、試合に出続けられる体をつくること。野球選手の価値は(野手なら)143試合にフル出場してこの価値だということを再確認してほしい。例えば100試合しか出ていないのに3割2分打ったら年俸が上がりますというのはどうか。どこかが痛いとか、疲労(で休んだり)、苦手なピッチャーだったら逃げるとか。143試合に出たから数字が上がっていない選手と比べて100試合しか出ていない選手は年俸が上がる、これはあってはならないと思っている。あくまでも全試合に出ることを前提としての価値だと、そういう感覚は2軍の時に植え付けていかなければいけない。
あとは強い意志を持つこと。自分がどういう選手になりたいかの目標を設定して、自分でスイッチを押せるか。明らかに高すぎる目標であればそこのスイッチはなかなかオンにならないけど、明確な、少し背伸びをすれば、頑張れば手が届くような目標であればスイッチを押せると思うので、目標設定の細かな確認作業は必要になってくる。自分自身がどういう選手になりたいのか。ある程度、コーチが見た評価と、選手が目指すところにあまりに差がありすぎるときは修正してあげることも必要。そういう作業もやっていかなければならない。
〈4日から始まった宮崎秋季キャンプ。藤本監督が掲げる「個々のレベルアップ」を念頭に、小久保2軍監督も選手たちと徹底的に向き合う姿勢を示している。ヘッドコーチ就任時、春のキャンプ前には「1日1000スイング」という分かりやすい数字も掲げたが、この秋はどんな期間にしようとしているのか〉
秋のキャンプは体ができ上がっているので、でき上がった体に覚えこませることが大事。疲れの先にある感覚、無意識の領域にアプローチできるように少し量も増えるし、1000スイングとかではなく(1回に)打つ選手を少なくしながら打つ時間を長くすることを考えている。今は特打といっても20~30分くらい。それではしんどいところまでいかない。こちらが時間を設けず、選手が終わる時間を決める形でやろうかなと。選手に分かっておいてほしいのはこの秋のキャンプの成果で来年春のキャンプのA、B(の組分け)が決まるということ。評価された選手は当然Aに推薦されるし、藤本監督が掲げる個々のレベルアップを実現できるようにやっていく。
(TNC「福岡NEWSファイルCUBE」6日オンエアより/聞き手=山本泰明)
◇ ◇ ◇
〈指導者として9年ぶりに古巣に復帰した今季、工藤前監督から主に野手部門の強化を任される形のヘッドコーチとして加わった。4年連続日本一のチームに新任で入る難しさも踏まえた上での就任だったが、連覇を逃したこと、4位という結果をどう受け止めているのか〉
野手の部分の底上げ、強化というところで声をかけていだいて、その結果として優勝できなかったこと、Bクラスに終わったことは、(工藤前)監督、フロント、ファンの皆さんにもちろん申し訳ない気持ちでいっぱいです。今年、中に入って一番感じたのは時代の流れというか、マインド。強さというところでいうと、ずっと勝ってきている分、王会長も言われていたが多少の緩みが出ていたのを感じた。そこをうまく締めきれなかったのも僕の責任。そういう部分ではこの秋から来年にかけて、今回2軍監督というポジションに変わり、(プロに)入ってくる選手たちに、まずプロとしての心構え、考え方というところのアプローチを最もできる。強い選手を上(1軍)に送り出すつもりでやっていく。
〈10月中旬に工藤監督の今季限りでの辞任が明らかになって以降、後任候補として複数の名前が挙がった。ヘッドコーチとして古巣復帰した小久保氏はその筆頭と見られていた。「監督に昇格するのは小久保さんだと思っていた。球団に何を求められての2軍監督だと思うか」との問いに、本人の回答は?〉
そんなに厳しくしたつもりはないが「厳しい」「怖い」という話があって、それイコールある意味、自分の仕事をやったからこそ、そういう評価になったのだと思う。でも評価はあくまでも他者が下すもので、自己評価はわれわれプロの世界には存在しない言葉。しっかり自分自身を見つめ直しながら、この球団、組織が強くあるために、どういう人間づくり、人づくりができるかを期待されて、求められての(2軍監督)就任だと思う。ヘッドコーチと2軍監督の役割は全く違う仕事。今回はコーチの方々の意見を吸い上げながら自分が決断することになる。2軍のコーチ陣全員を集めて行った初めてのミーティングで一番最初に持ってきたのが「人間づくり」「人づくり」だった。そういう部分を根底に持ちながらの指導、活動になる。
〈ソフトバンクは体系的に選手を育成する方針をとっており、ファームの首脳陣には選手のレベルに応じてクリアすべき年間の打席数や投球回数の目標などが決められている。その上で小久保2軍監督は1軍にどんな選手を送り出すことをメージしているのか〉
基礎中の基礎として、試合に出続けられる体をつくること。野球選手の価値は(野手なら)143試合にフル出場してこの価値だということを再確認してほしい。例えば100試合しか出ていないのに3割2分打ったら年俸が上がりますというのはどうか。どこかが痛いとか、疲労(で休んだり)、苦手なピッチャーだったら逃げるとか。143試合に出たから数字が上がっていない選手と比べて100試合しか出ていない選手は年俸が上がる、これはあってはならないと思っている。あくまでも全試合に出ることを前提としての価値だと、そういう感覚は2軍の時に植え付けていかなければいけない。
あとは強い意志を持つこと。自分がどういう選手になりたいかの目標を設定して、自分でスイッチを押せるか。明らかに高すぎる目標であればそこのスイッチはなかなかオンにならないけど、明確な、少し背伸びをすれば、頑張れば手が届くような目標であればスイッチを押せると思うので、目標設定の細かな確認作業は必要になってくる。自分自身がどういう選手になりたいのか。ある程度、コーチが見た評価と、選手が目指すところにあまりに差がありすぎるときは修正してあげることも必要。そういう作業もやっていかなければならない。
〈4日から始まった宮崎秋季キャンプ。藤本監督が掲げる「個々のレベルアップ」を念頭に、小久保2軍監督も選手たちと徹底的に向き合う姿勢を示している。ヘッドコーチ就任時、春のキャンプ前には「1日1000スイング」という分かりやすい数字も掲げたが、この秋はどんな期間にしようとしているのか〉
秋のキャンプは体ができ上がっているので、でき上がった体に覚えこませることが大事。疲れの先にある感覚、無意識の領域にアプローチできるように少し量も増えるし、1000スイングとかではなく(1回に)打つ選手を少なくしながら打つ時間を長くすることを考えている。今は特打といっても20~30分くらい。それではしんどいところまでいかない。こちらが時間を設けず、選手が終わる時間を決める形でやろうかなと。選手に分かっておいてほしいのはこの秋のキャンプの成果で来年春のキャンプのA、B(の組分け)が決まるということ。評価された選手は当然Aに推薦されるし、藤本監督が掲げる個々のレベルアップを実現できるようにやっていく。
(TNC「福岡NEWSファイルCUBE」6日オンエアより/聞き手=山本泰明)
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