2021/12/22 16:00
ソフトバンク和田にとって工藤監督とは 脳裏に焼き付く5年前の姿「自分への怒りを感じた」
ホークス
2021/12/24 12:00
ソフトバンクの和田毅投手(40)が退任した工藤公康前監督(58)への感謝を語った。米メジャーから古巣に復帰した2016年からの6シーズン、工藤前監督の下で若手の手本としての姿を示しながら2度のリーグ優勝と4度の日本一に貢献。47歳までマウンドに立ち続けた大先輩の教えを胸に、不惑のベテランも同じ道を歩んでいく決意を新たにした。
◇ ◇ ◇
和田が日本に戻る決断をしたのは34歳だった2015年のオフ。工藤前監督が解説者時代に米国で話をしたりプライベートで何度か会う機会があったものの、同じチームの監督と選手として戦うことになるとは思いもしなかったという。
「日本に戻る時に監督が工藤さんで、これもご縁だなと思った」
復帰1年目、和田は15勝(5敗)、勝率7割5分で2部門のタイトルを獲得。かつてのエースとして貫禄を示す結果を残した一方でシーズン終盤は肘を痛めて離脱し、チームは日本ハムに最大11.5ゲーム差をひっくり返されて歴史的な敗北を喫した。悔しさが消えなかった当時見た工藤監督の印象的な姿は今も脳裏に焼き付いている。
「勝負に徹するときの工藤さんと、僕たちに話すときのリラックスされた表情の工藤さん。2つの顔を2016年は見たけど、あの時は笑っている姿ではなく自分への怒り、こんな結果を招いてしまったという自分への怒りを感じた。結果を出すのは僕ら(選手)ではあるけど、こんな結果になってしまったという自分への怒りを押し殺しながら、シーズン最後に話されているように感じた」
翌年、2年ぶりに頂点へ返り咲いた工藤監督はリーグ優勝時にお立ち台のインタビューで泣いた。人前で涙を見せることのなかった工藤監督の震える声に和田は「ぶれない、芯みたいなものを感じた」という。日本シリーズ4連覇への過程では選手との距離感が次第に変化していくことも実感。そして今年、就任7年目で初めてBクラスの4位に終わった工藤監督はユニホームを脱ぐ決断を下した。
「工藤さんの中で優勝以外はダメなんだと思う。いつも言っていたのは『ホークスは勝ち続けないといけない』ということ。ずっと勝ち続けて、日本一を続けるチームなんだ、と。工藤さんが選手時代の西武もそうだったと思う。CS(クライマックスシリーズ)を勝って日本一という救済はあるけど、2018、19年は2位から日本一になった。その時も工藤さんは優勝できていないと悔しがっていた。選手に対しても裏方さんに対しても、優勝するために何とかしたいと、ずっと言っていた」
現在、和田はチーム最年長の40歳。実働29年、47歳までマウンドに立ち続けた工藤前監督にもらった「説得力しかない」言葉の数々は胸に刻まれている。新体制となる来季、41歳でシーズンに入る和田は6年ぶりの2桁勝利と規定投球回到達を目指すことを公言した。それが工藤前監督への恩返しにもなると信じてのことだ。
「監督であり、球界の先輩であり、投手としての先生。自分がホークスに戻ってきたときに工藤さんが監督だったというのは運命だし、そんな道をおまえも歩まないといけないぞと野球の神様に言ってもらっている感じもする。47歳までは果てしない遠い道のりだけど、少しでもそこに近づけるように頑張りたい」
就任7年でリーグ優勝3度、日本一5度という輝かしい実績の裏で工藤前監督はどんなことを考えていたのか。そして、どんなものをチームに残したのか。 和田らの言葉も交え、TNCテレビ西日本は特別番組「不器用な監督 工藤公康の7年」を31日午後4時45分から放送する。
(プロデューサー・江坂透、山本泰明/ディレクター・内藤賢志郎、安枝遼、城大瑛)
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和田が日本に戻る決断をしたのは34歳だった2015年のオフ。工藤前監督が解説者時代に米国で話をしたりプライベートで何度か会う機会があったものの、同じチームの監督と選手として戦うことになるとは思いもしなかったという。
「日本に戻る時に監督が工藤さんで、これもご縁だなと思った」
復帰1年目、和田は15勝(5敗)、勝率7割5分で2部門のタイトルを獲得。かつてのエースとして貫禄を示す結果を残した一方でシーズン終盤は肘を痛めて離脱し、チームは日本ハムに最大11.5ゲーム差をひっくり返されて歴史的な敗北を喫した。悔しさが消えなかった当時見た工藤監督の印象的な姿は今も脳裏に焼き付いている。
「勝負に徹するときの工藤さんと、僕たちに話すときのリラックスされた表情の工藤さん。2つの顔を2016年は見たけど、あの時は笑っている姿ではなく自分への怒り、こんな結果を招いてしまったという自分への怒りを感じた。結果を出すのは僕ら(選手)ではあるけど、こんな結果になってしまったという自分への怒りを押し殺しながら、シーズン最後に話されているように感じた」
翌年、2年ぶりに頂点へ返り咲いた工藤監督はリーグ優勝時にお立ち台のインタビューで泣いた。人前で涙を見せることのなかった工藤監督の震える声に和田は「ぶれない、芯みたいなものを感じた」という。日本シリーズ4連覇への過程では選手との距離感が次第に変化していくことも実感。そして今年、就任7年目で初めてBクラスの4位に終わった工藤監督はユニホームを脱ぐ決断を下した。
「工藤さんの中で優勝以外はダメなんだと思う。いつも言っていたのは『ホークスは勝ち続けないといけない』ということ。ずっと勝ち続けて、日本一を続けるチームなんだ、と。工藤さんが選手時代の西武もそうだったと思う。CS(クライマックスシリーズ)を勝って日本一という救済はあるけど、2018、19年は2位から日本一になった。その時も工藤さんは優勝できていないと悔しがっていた。選手に対しても裏方さんに対しても、優勝するために何とかしたいと、ずっと言っていた」
現在、和田はチーム最年長の40歳。実働29年、47歳までマウンドに立ち続けた工藤前監督にもらった「説得力しかない」言葉の数々は胸に刻まれている。新体制となる来季、41歳でシーズンに入る和田は6年ぶりの2桁勝利と規定投球回到達を目指すことを公言した。それが工藤前監督への恩返しにもなると信じてのことだ。
「監督であり、球界の先輩であり、投手としての先生。自分がホークスに戻ってきたときに工藤さんが監督だったというのは運命だし、そんな道をおまえも歩まないといけないぞと野球の神様に言ってもらっている感じもする。47歳までは果てしない遠い道のりだけど、少しでもそこに近づけるように頑張りたい」
就任7年でリーグ優勝3度、日本一5度という輝かしい実績の裏で工藤前監督はどんなことを考えていたのか。そして、どんなものをチームに残したのか。 和田らの言葉も交え、TNCテレビ西日本は特別番組「不器用な監督 工藤公康の7年」を31日午後4時45分から放送する。
(プロデューサー・江坂透、山本泰明/ディレクター・内藤賢志郎、安枝遼、城大瑛)
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