2023/03/01 16:50
「サバ」記録的不漁で缶詰も値上げ…九州生まれ「Qサバ」に注目 ぽっちゃり型で脂ノリノリ
暮らし
2023/03/01 18:25
3月、食品では3000品目を超える商品がまた値上げされる見通しです。
大衆魚であるサバも不漁で、缶詰が値上げとなるなか、九州生まれの魚が注目されています。
3月1日に値上げされるのは、アイスクリーム大手ロッテの「雪見だいふく」、森永乳業の「ピノ」などです。
また菓子では、ネスレ日本の「キットカット」が内容量が減る実質値上げとなり、「キットカットミニ」は13枚が12枚に。
このほか、食用油や「味ぽん」なども値上がりし、帝国データバンクによりますと、3月に値上げする食品は3000品目を超える見通しだということです。
さらに、値上げラッシュは缶詰にも及びます。
はごろもフーズは5月1日から22品目の値上げを発表し、このうちサバの水煮缶は参考小売価格で220円が275円(税抜)に引き上がります。
不漁の影響やエネルギーコストの上昇などで製造原価が上昇し、企業努力だけで吸収することは極めて困難だったとしています。
福岡市内のスーパーでも、コロナ禍に入って以降、自宅で簡単に食べられる「サバ缶」の販売量が増え、店内の目立つ場所に並べていましたが、サバの不漁を受けて商品自体が少なくなり、影響が出ているといいます。
食卓の味方だったサバまでもが遠い存在になってしまうのかー
水揚げが減るなか、注目を集めているサバが佐賀県唐津市にあります。
◆記者リポート
「脂ののったサバ。実は完全養殖されたサバなんです。プリプリで身が引き締まっています。魚の生臭さが全くないです」
佐賀・唐津市にある店「潮路乃」で出されているのが、唐津市のブランドサバ「唐津Qサバ」。
九州大学との共同研究で生まれた「完全養殖」のマサバです。
「Qサバ活き造り」は税込み4000円。
天然モノより高価ですが、Qサバが消費者に支持され選ばれるのにはワケがあります。
◆潮路乃 田中沙織さん
「完全養殖ということでアニサキスもいないですし、活きのいいままお刺身で召し上がっていただけます。すごく脂が乗っていてとろとろで、マグロの大トロを食べているみたいと、一度食べた方はリピーターで必ず頼んでいただけます」
生でも安心して食べられるという完全養殖の唐津Qサバ。
どのように育てられているのでしょうか。
◆唐津市水産業活性化支援センター 村山孝行 センター長
「ここでサバが泳いでます。大体(生まれて)1年弱くらいのサバです」
唐津市は、2011年に九州大学と共同でこのセンターを設立し、実に2年がかりでマサバの完全養殖に成功しました。
◆唐津市水産業活性化支援センター 村山孝行 センター長
「親のサバから卵をとってそれをふ化させて、ある程度の大きさまでここで育てます」
完全養殖とは、人工的にふ化させた稚魚を親魚まで育て、その親魚から卵を取って次の世代を生み出していく技術です。
このセンターでは、稚魚を7センチ程度にまで育てて養殖業者に卸し、その後1年半ほど海で育てた後に市場に出荷されています。
エサには配合飼料を使うため、脂のノリが一定に保てるだけでなく、生のエサを食べないことで食中毒の原因となる「アニサキス」のリスクを減らすことができるので、刺身でも食べられるというわけなんです。
◆唐津市水産業活性化支援センター 村山孝行 センター長
「10年間やっている中で、体形がぽっちゃり型になって肉付きが良くなった。いい形質が受け継がれて、どんどん成長もよくなっているような気がします」
養殖の成功から約10年。
当初は約3000匹だった販売数も、今では2万匹にまで増え、今後はさらに多くのQサバを提供できるよう、稚魚の数を増やすことが目標です。
◆唐津市水産業活性化支援センター 村山孝行 センター長
「唐津はサバの水揚げ基地だったので美味しいサバがたくさんあったんですが、それを唐津Qサバで継承していくというか、新しい名物として提供していくことができれば」
サバの記録的な不漁が続く中、日本の食文化と水産資源を守る養殖サバの価値はさらに高まりそうです。
大衆魚であるサバも不漁で、缶詰が値上げとなるなか、九州生まれの魚が注目されています。
3月1日に値上げされるのは、アイスクリーム大手ロッテの「雪見だいふく」、森永乳業の「ピノ」などです。
また菓子では、ネスレ日本の「キットカット」が内容量が減る実質値上げとなり、「キットカットミニ」は13枚が12枚に。
このほか、食用油や「味ぽん」なども値上がりし、帝国データバンクによりますと、3月に値上げする食品は3000品目を超える見通しだということです。
さらに、値上げラッシュは缶詰にも及びます。
はごろもフーズは5月1日から22品目の値上げを発表し、このうちサバの水煮缶は参考小売価格で220円が275円(税抜)に引き上がります。
不漁の影響やエネルギーコストの上昇などで製造原価が上昇し、企業努力だけで吸収することは極めて困難だったとしています。
福岡市内のスーパーでも、コロナ禍に入って以降、自宅で簡単に食べられる「サバ缶」の販売量が増え、店内の目立つ場所に並べていましたが、サバの不漁を受けて商品自体が少なくなり、影響が出ているといいます。
食卓の味方だったサバまでもが遠い存在になってしまうのかー
水揚げが減るなか、注目を集めているサバが佐賀県唐津市にあります。
◆記者リポート
「脂ののったサバ。実は完全養殖されたサバなんです。プリプリで身が引き締まっています。魚の生臭さが全くないです」
佐賀・唐津市にある店「潮路乃」で出されているのが、唐津市のブランドサバ「唐津Qサバ」。
九州大学との共同研究で生まれた「完全養殖」のマサバです。
「Qサバ活き造り」は税込み4000円。
天然モノより高価ですが、Qサバが消費者に支持され選ばれるのにはワケがあります。
◆潮路乃 田中沙織さん
「完全養殖ということでアニサキスもいないですし、活きのいいままお刺身で召し上がっていただけます。すごく脂が乗っていてとろとろで、マグロの大トロを食べているみたいと、一度食べた方はリピーターで必ず頼んでいただけます」
生でも安心して食べられるという完全養殖の唐津Qサバ。
どのように育てられているのでしょうか。
◆唐津市水産業活性化支援センター 村山孝行 センター長
「ここでサバが泳いでます。大体(生まれて)1年弱くらいのサバです」
唐津市は、2011年に九州大学と共同でこのセンターを設立し、実に2年がかりでマサバの完全養殖に成功しました。
◆唐津市水産業活性化支援センター 村山孝行 センター長
「親のサバから卵をとってそれをふ化させて、ある程度の大きさまでここで育てます」
完全養殖とは、人工的にふ化させた稚魚を親魚まで育て、その親魚から卵を取って次の世代を生み出していく技術です。
このセンターでは、稚魚を7センチ程度にまで育てて養殖業者に卸し、その後1年半ほど海で育てた後に市場に出荷されています。
エサには配合飼料を使うため、脂のノリが一定に保てるだけでなく、生のエサを食べないことで食中毒の原因となる「アニサキス」のリスクを減らすことができるので、刺身でも食べられるというわけなんです。
◆唐津市水産業活性化支援センター 村山孝行 センター長
「10年間やっている中で、体形がぽっちゃり型になって肉付きが良くなった。いい形質が受け継がれて、どんどん成長もよくなっているような気がします」
養殖の成功から約10年。
当初は約3000匹だった販売数も、今では2万匹にまで増え、今後はさらに多くのQサバを提供できるよう、稚魚の数を増やすことが目標です。
◆唐津市水産業活性化支援センター 村山孝行 センター長
「唐津はサバの水揚げ基地だったので美味しいサバがたくさんあったんですが、それを唐津Qサバで継承していくというか、新しい名物として提供していくことができれば」
サバの記録的な不漁が続く中、日本の食文化と水産資源を守る養殖サバの価値はさらに高まりそうです。
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