1. HOME
  2. 前金を支払って130人に招待状も送ったのに…結婚式場が破産準備で“一方的キャンセル” 挙式を間近に控えたカップルの思い 支援の動きも広がる 福岡

前金を支払って130人に招待状も送ったのに…結婚式場が破産準備で“一方的キャンセル” 挙式を間近に控えたカップルの思い 支援の動きも広がる 福岡

気象・災害

事件・事故

3時間前

福岡県などで結婚式場を運営する「アルカディア」が破産申請の準備に入り、全ての挙式や披露宴ができなくなりました。

近く予定していた挙式のキャンセルを余儀なくされた夫婦が、悲痛な思いを語りました。



◆挙式予定だった山田さん夫婦(仮名)
「せっかく準備をしてきたけど、できないショックというか、びっくりしすぎてあんまり現実味がないという感じです」

27日午前、TNCの取材にこう心境を語ったのは、北九州市に住む山田さん夫婦(仮名)です。

近く挙げる予定だった結婚式を、一方的に式場の運営会社からキャンセルされました。



問題の舞台になったのは、福岡や佐賀で5つの結婚式場などを運営していたアルカディア。

この会社をめぐっては2月、元社長の大串淳容疑者らが新型コロナ対策の国の雇用調整助成金を不正に受け取った疑いで逮捕され、福岡労働局は合わせて10億円あまりの返還と違約金約2億円の支払いを命じています。



山田さん夫婦は、北九州市小倉北区にあるアルカディアの式場で5月3日に約450万円をかけて結婚式を挙げる予定でした。

Q.いつから準備を?
◆山田さん夫婦
「だいたい1年前くらいに予約した」

Q.なぜアルカディアを選んだ?
「チャペルがすごいおしゃれだったので、見た感じも『ここがいいな』って思った」

山田さん夫婦はアルカディアに結婚式の前金として1月末までに約50万円を支払いました。

その後すぐ、大串容疑者らが逮捕されたのです。

Q.逮捕のニュースを聞いて?
◆山田さん夫婦
「『大丈夫かな?』とは思った。プランナーの人が、『挙式とかは通常通り今後も行わせていただくので安心してください』みたいなことを言われて『できるのかな?』とは思っていた」

その後もアルカディアのウェディングプランナーとの式に向けた準備は進みました。

そして2月11日には、式に呼ぶ約130人に招待状も送ったのです。



ところが25日の夜、夫婦の結婚式の状況が一変。

アルカディアがホームページを通して、破産申請の準備に入ったことや営業停止となったことを発表したのです。



Q.連絡がきた?
◆山田さん夫婦
「プランナーさんから連絡がきた。LINEがきた時は、『プランナーさんたちも大変だろうな』という感情の方が強かったです」

そのメッセージがこちらです。

『私たちは従業員はきのう付けで解雇と言い渡されており、メッセージをお送りすることも本来であれば難しい状況にあります。本日より今後会社に立ち入ることも許されておりません。私たち従業員もきのう突然言い渡された兼ね合いで、皆様への個々の対応ができかねる状況にあります。本当に心苦しい思いですが、今後のお問い合わせは、代表者より順にお電話を差し上げます。そちらにお問い合わせいただけますと幸いです』

アルカディア側からの連絡はこれだけで、代表者との連絡はまだできていません。

東京商工リサーチによりますと、アルカディアは新型コロナなどの影響で厳しい経営状況が続いていて、去年8月末時点の負債総額は約40億円に上るということです。



◆山田さん夫婦
「なんとか、もうちょっとこう早い段階でというか…『急に破産して、できません』じゃなくて、もうちょっとなんか…」

Q.前金50万円はどうなる?
「返ってこないだろうなとは思っています。もう半分あきらめています」

1年の準備をかけた結婚式を一方的にキャンセルされた山田さん夫婦。

Q.これからどうしますか?
◆山田さん夫婦
「新しい式場を探していこうかなと」

Q.新しい式場の目途は?
「全然ついていないです。50万円は払ってしまったけど、気持ち良く結婚式を挙げられた方がうれしいので、そこは切り替えて、もう『楽しもう』という感じに変わっています。『もっと良い結婚式できるだろう』みたいな感じになっています。準備をやり直しできるし、準備も楽しめる派だったので『このワクワクが続けばいいな』みたいな」

カップルへの支援策も



アルカディアをめぐる問題では、北九州市が27日、結婚式ができなくなってしまったカップルへの支援策を発表しました。

市内の施設や観光地を活用し、無料で結婚式やフォトウェディングができるという内容です。

こうした問題で行政が救済策を打ち出すのは異例です。

一方、問題の余波が福岡のウェディング業界全体に広がっています。

結婚式場の仲介を行っている「ブラナビプラス」によりますと、ブラナビプラスを通じてアルカディアと契約していた新郎新婦は約100組に上るということで、今から他の結婚式場に変更する場合、仲介業者として次のような対応を取っています。

◆ブラナビプラス福岡天神店 川崎敏部長
「今回特例で、お客様がいま現在持っている見積もり価格の内容で対応してほしいとか、こちらで交渉しながら(他の)ホテル・式場とは連携を深めてやっている」

また、新郎新婦を救済する動きも出てきています。

福岡市のホテルニューオータニ博多は、アルカディアの事業停止によって挙式ができなくなった新郎新婦に対し、すでに契約していた司会や衣装、花などの持ち込み料を免除するほか、新しく作り直す案内状の費用を負担するということです。
福岡県などで結婚式場を運営する「アルカディア」が破産申請の準備に入り、全ての挙式や披露宴ができなくなりました。

近く予定していた挙式のキャンセルを余儀なくされた夫婦が、悲痛な思いを語りました。
◆挙式予定だった山田さん夫婦(仮名)
「せっかく準備をしてきたけど、できないショックというか、びっくりしすぎてあんまり現実味がないという感じです」

27日午前、TNCの取材にこう心境を語ったのは、北九州市に住む山田さん夫婦(仮名)です。

近く挙げる予定だった結婚式を、一方的に式場の運営会社からキャンセルされました。
問題の舞台になったのは、福岡や佐賀で5つの結婚式場などを運営していたアルカディア。

この会社をめぐっては2月、元社長の大串淳容疑者らが新型コロナ対策の国の雇用調整助成金を不正に受け取った疑いで逮捕され、福岡労働局は合わせて10億円あまりの返還と違約金約2億円の支払いを命じています。
山田さん夫婦は、北九州市小倉北区にあるアルカディアの式場で5月3日に約450万円をかけて結婚式を挙げる予定でした。

Q.いつから準備を?
◆山田さん夫婦
「だいたい1年前くらいに予約した」

Q.なぜアルカディアを選んだ?
「チャペルがすごいおしゃれだったので、見た感じも『ここがいいな』って思った」

山田さん夫婦はアルカディアに結婚式の前金として1月末までに約50万円を支払いました。

その後すぐ、大串容疑者らが逮捕されたのです。

Q.逮捕のニュースを聞いて?
◆山田さん夫婦
「『大丈夫かな?』とは思った。プランナーの人が、『挙式とかは通常通り今後も行わせていただくので安心してください』みたいなことを言われて『できるのかな?』とは思っていた」

その後もアルカディアのウェディングプランナーとの式に向けた準備は進みました。

そして2月11日には、式に呼ぶ約130人に招待状も送ったのです。
ところが25日の夜、夫婦の結婚式の状況が一変。

アルカディアがホームページを通して、破産申請の準備に入ったことや営業停止となったことを発表したのです。
Q.連絡がきた?
◆山田さん夫婦
「プランナーさんから連絡がきた。LINEがきた時は、『プランナーさんたちも大変だろうな』という感情の方が強かったです」

そのメッセージがこちらです。

『私たちは従業員はきのう付けで解雇と言い渡されており、メッセージをお送りすることも本来であれば難しい状況にあります。本日より今後会社に立ち入ることも許されておりません。私たち従業員もきのう突然言い渡された兼ね合いで、皆様への個々の対応ができかねる状況にあります。本当に心苦しい思いですが、今後のお問い合わせは、代表者より順にお電話を差し上げます。そちらにお問い合わせいただけますと幸いです』

アルカディア側からの連絡はこれだけで、代表者との連絡はまだできていません。

東京商工リサーチによりますと、アルカディアは新型コロナなどの影響で厳しい経営状況が続いていて、去年8月末時点の負債総額は約40億円に上るということです。
◆山田さん夫婦
「なんとか、もうちょっとこう早い段階でというか…『急に破産して、できません』じゃなくて、もうちょっとなんか…」

Q.前金50万円はどうなる?
「返ってこないだろうなとは思っています。もう半分あきらめています」

1年の準備をかけた結婚式を一方的にキャンセルされた山田さん夫婦。

Q.これからどうしますか?
◆山田さん夫婦
「新しい式場を探していこうかなと」

Q.新しい式場の目途は?
「全然ついていないです。50万円は払ってしまったけど、気持ち良く結婚式を挙げられた方がうれしいので、そこは切り替えて、もう『楽しもう』という感じに変わっています。『もっと良い結婚式できるだろう』みたいな感じになっています。準備をやり直しできるし、準備も楽しめる派だったので『このワクワクが続けばいいな』みたいな」

カップルへの支援策も
アルカディアをめぐる問題では、北九州市が27日、結婚式ができなくなってしまったカップルへの支援策を発表しました。

市内の施設や観光地を活用し、無料で結婚式やフォトウェディングができるという内容です。

こうした問題で行政が救済策を打ち出すのは異例です。

一方、問題の余波が福岡のウェディング業界全体に広がっています。

結婚式場の仲介を行っている「ブラナビプラス」によりますと、ブラナビプラスを通じてアルカディアと契約していた新郎新婦は約100組に上るということで、今から他の結婚式場に変更する場合、仲介業者として次のような対応を取っています。

◆ブラナビプラス福岡天神店 川崎敏部長
「今回特例で、お客様がいま現在持っている見積もり価格の内容で対応してほしいとか、こちらで交渉しながら(他の)ホテル・式場とは連携を深めてやっている」

また、新郎新婦を救済する動きも出てきています。

福岡市のホテルニューオータニ博多は、アルカディアの事業停止によって挙式ができなくなった新郎新婦に対し、すでに契約していた司会や衣装、花などの持ち込み料を免除するほか、新しく作り直す案内状の費用を負担するということです。

あなたにおすすめ

  1. HOME
  2. 前金を支払って130人に招待状も送ったのに…結婚式場が破産準備で“一方的キャンセル” 挙式を間近に控えたカップルの思い 支援の動きも広がる 福岡