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備蓄米放出でも「7月には枯渇するんじゃないか」福岡の米穀店が危機感 新規客断り得意客への会員販売に切り替え

暮らし

4時間前

コメの高騰を受けて入札が行われた備蓄米。

政府は価格低下に期待を寄せていますが、福岡の消費者や米穀店からは厳しい意見が聞かれました。
◆江藤農水大臣(14日)
「非常に結果が出るまでドキドキ、また胃が痛い思いをしておりましたが、ホッとしたというのが正直なところ」

14日に備蓄米約15万トンの落札率や価格を公表し、安堵の言葉を口にした江藤農水大臣。

政府は、流通の停滞解消を狙った備蓄米の放出によって、この1年でほぼ2倍に高騰したコメの価格が下がるとの見方を示しています。

Q.備蓄米放出でコメ価格は?
◆消費者
「希望としては下がって欲しいと思いますけど、2000円台まで下がるのは難しいと思う」
「(福岡まで)かなり物流にかかるじゃないですか、コストとか。だからあまり価格は下がらないんじゃないですかね」
「在庫が少ないですよね、どこに行っても。それが元通りになったらいい」
福岡県北九州市にある老舗の米穀店でもコメ不足の影響は深刻です。

店内に積まれた在庫は普段の約3分の1に減っていて、3カ月ほど前からは新規の客を断って得意客への会員販売に切り替えています。
厳しい状況が続く中、備蓄米放出への受け止めをたずねると…。

◆梶谷米穀店 梶谷登さん
「備蓄米が出たら、どんとコメの価格が下がるんじゃないかと言われていますけど、米穀店の業界としては(価格が下がるとは)全く思ってないんですよ。逆に7月ぐらいには(コメの在庫が)枯渇するんじゃないかという危惧があるんですよね」

危惧の背景にあるのが、在庫不足による「コメの先売り」です。

去年夏前のコメ不足で、本来は秋の消費に回す分を8月から先売りしてしまったために在庫が減少し、その量は約40万トンに及ぶといいます。

さらに今回緊急に放出された備蓄米はいずれ買い戻すことが条件とされているため、今後同じ量を備蓄用に戻さなければなりません。

こうした事情から、来年度にコメが大豊作とならない限りコメの在庫は戻らず、高騰も解消しないと梶谷さんはみています。
Q.5キロ2000円台で買える時代はもう来ない?
◆梶谷米穀店 梶谷登さん
「多分来ないと思うし、それじゃあ2000円で農家が作れる意欲が起きるかというと、到底戻らないと思います。例えば、新潟産コシヒカリはキロ950円ですけども、茶碗1杯では68円。68円に対して高いと言えるのか。自分たちの主食ですから」

■備蓄米は北海道や東北の銘柄が中心 課題も
17日に発表されたコメの価格は全国平均で5キロあたり4077円とこの1年で倍になりました。

一方、放出される備蓄米の内訳をみると15万トンのうち主な銘柄は青森県産の「まっしぐら」、新潟県産の「こしいぶき」などとなっていて、各県を代表するブランド米とはいえ、福岡ではあまりなじみがありません。

福岡県産の「夢つくし」は33トンと少なくなっています。

課題として浮かぶのは、福岡でなじみのない銘柄を小売店が取り扱うか分からないという点です。

また、備蓄米は北海道や東北の銘柄が多く輸送コストがかかるので、銘柄で価格差が出る可能性があります。

備蓄米がスーパーに並ぶのは早ければ3月末ということで、価格の動きが注目されそうです。

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