1. HOME
  2. 70年の時を経て“原点”へ 和菓子の老舗が「ワンビル」に“復活” かつて店構えた商店街の地で新たな歴史刻む 福岡

70年の時を経て“原点”へ 和菓子の老舗が「ワンビル」に“復活” かつて店構えた商店街の地で新たな歴史刻む 福岡

暮らし

10時間前

福岡市最大の繁華街、天神に24日に開業した大型複合ビル「ワン・フクオカ・ビルディング」(ワンビル)には、福岡を代表する和菓子の老舗も店を出しています。

その知られざる歴史と出店への思いを取材しました。

ゴールデンウィークで帰省する人も多い中、駅や空港でにぎわいを見せるのがお土産店です。

福岡でお土産と言えば、「博多通りもん」「めんべい」そして…。

◆街の人
「おいしいです、あの蜜が」

「ちょっと食べづらいけどおいしい」

「きなこ!」

きなこもちに黒蜜をかけて食べる「筑紫もち」です。

SNS上ではきなこをこぼさずきれいに食べる作法が紹介され、多くの県民に愛されている和菓子です。
製造するのは安土桃山時代に創業したとされる「如水庵」。

この「超」がつくほどの和菓子の老舗がワンビル誕生とともに、新たな時代をスタートさせようとしています。

◆如水庵 森正俊 社長
「私自身もとてもうれしいですし、だからこそ失敗できないなと思います」

ワンビル新店舗への並々ならぬ思いの裏には、如水庵の知られざる歴史がありました。
取材班が訪ねたのは24日開業したワンビルの9階。

現在は公開されておらず、5月からは西鉄の本社となるこの場所で今、保管されているのが…。

◆西鉄 広報・CS推進部 蔵田隆秀課長
「こちらが昭和37年当時の天神地区のジオラマ模型です」

1962年ごろの天神を再現した精巧なジオラマです。

渡辺通りを走る路面電車、岩田屋の屋上には観覧車もあります。
◆西鉄 広報・CS推進部 蔵田隆秀課長
「前身の福岡ビルが建っていまして、西鉄街、東の方が因幡町商店街、銀座街含めて3つの商店街がありました。のちの天神コア、天神ビブレ、この一角がワン・フクオカ・ビルディングになります」

今のワンビルの敷地には福ビルと、それに隣接する3つの商店街がありました。

この商店街に店を構えていたのが「五十二万石」、現在の「如水庵」です。

◆如水庵 森正俊 社長
「博多の地でずっと商売をしていて、福岡の和菓子屋になろうということで初めて出店したのが天神の西鉄街」
天神のこの場所で営業していたのはわずか2年ほどでしたが、如水庵としては思い入れの強い場所です。

今回、70年の時を経て、その地に再び店を構えることになったのです。

◆如水庵 森正俊 社長
「祖父、曾祖父ずっと続いてきているこの伝統を継承させていただいて、またこの地に戻ってこられるというのは私自身もとてもうれしいですし、だからこそ失敗できない」
ゆかりの深い場所での新たな挑戦。

ワンビル開業を約1週間後に控え、福岡県古賀市の工房で作られていたのは「金つば」です。

これまで催事などでは販売してきましたが、ワンビルへの出店を機に定番商品化を決めました。

◆如水庵 楢崎秀樹 製造部長
「通常店舗だと生菓子の割合が低いが、ワンビルは高めに4割くらいに増やす。“おもたせ”で買ってもらえるような(商品)構成にしている」
ほかにもワンビル限定の商品として、琥珀糖で梅をかたどった「うめみづき」や、三色のあんを詰め込んだ「殿様最中」などを用意しました。

◆如水庵 森正俊 社長
「ずっと続いてきた伝統があるからこそ、新しい時代の新しいお菓子も作れますので、不易流行を大事にしながらお菓子作りをやっています」

あなたにおすすめ

  1. HOME
  2. 70年の時を経て“原点”へ 和菓子の老舗が「ワンビル」に“復活” かつて店構えた商店街の地で新たな歴史刻む 福岡