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福岡でも大量に…“備蓄米キャンセル”全国で続々 入荷遅れで“8月末の販売期限”迫るも「売り切るのは難しい」

暮らし

4時間前

コンビ二などでもみかけるようになった「備蓄米」。

政府が販売期限を8月末までとする中、福岡の現場ではいま「想定外の事態」が起きています。
3日午後、福岡県広川町にできた人だかり。

訪れた人たちのお目当てはー

◆買い物客
「6袋買いました。家族が多いので、9人家族なんですよ。半分の値段ですもんね。本当に助かります」

行われていたのは「備蓄米の販売会」。

地元のコメ販売業者が2021年産の古古古米を5キロ税込み1800円で販売。

「購入数の制限はなし」ということで、割安なコメを買い求める人たちが次々と訪れていました。
中にはこんな人も-。

◆カメラマン
「これすごいですね」

Q.何袋買った?
「22袋」

Q.どこから来た?
「熊本県の荒尾。地元でも買いに行っているけど、制限されているから、すぐ売り切れてしまう」
◆販売業者
「うちが150トン契約しているので、在庫はまだまだある。いろんなお客様が求めているんだなと感じています」
しかし、そんな備蓄米を巡っていま、ある問題がー。

4日、取材班が訪れたのは福岡市にあるドラッグストア「コスモス 小田部店」。

「コスモス」といえば、2カ月前、備蓄米の店頭販売を県内で最も早く始めた会社で、初日はわずか1時間も経たずに完売する店舗もありました。

4日朝、小田部店に搬入されていたのは、3日夜に入荷したばかりという備蓄米80袋。

店舗では入荷の度に備蓄米の販売を続けていますが、いま「想定外の事態」が起きているといいます。

◆コスモス薬品 店舗運営部 垣岩寿明さん
「2万トンの契約をしたが、そのうちの4分の1程度の販売しかできていない」

「コスモス薬品」では、2022年産の政府備蓄米を2万トン契約していますが、商品の店舗への入荷が大幅に遅れていて、いまだ販売は4分の1にとどまっているというのです。

政府は販売期限を「8月末」と設定していますが、残り4分の3の販売の見通しは立っていないといいます。
◆コスモス薬品 店舗運営部 垣岩寿明さん
「現状かなり厳しい。8月中にすべて(売り切る)のは難しい。備蓄米倉庫の方で、原因は分からないけど滞っているということで、そこの出荷ができれば、すぐ店頭に持ってきて販売できるという態勢があるので、悔しい」

農水省によると、全国の多くの小売店で備蓄米の到着が遅れていて、販売量は7月6日時点で申し込みのわずか15%程度だといいます。

「コスモス薬品」は農水省に販売期限の延長の申し入れを行っています。
「遅れ」は、福岡市内の米穀店でも…

◆米のしんかい・みのりや 新飼哲哉 店主
「6月中に届くだろうと言われていたが、届いたのは結果的に7月29日だった」

当初の予定より大幅に遅れて到着した備蓄米の精米作業を急ピッチで進めていました。

届いたのは、2021年産の「古古古米」約9トン。

8月に入ってようやく販売を始めることができたものの、8月末の期限内にすべてを売り切れるか不透明な状況だと言います。

◆米のしんかい・みのりや 新飼哲哉 店主
「聞いている(遅れの)理由としては、輸送の部分で目詰まりをしている状況だと。備蓄米の保存状態を確認するチェックにかなり時間を要していると聞いている」
そして、これからは「新米」の流通が本格化する時期。

すでに業者の間では仕入れを巡る「取り合い」も起きていて、新米の価格は高くなると見込んでいます。

そうした中で、半額ほどで購入できる備蓄米の販促に力を入れ、期限内に売り切りたいとしています。

◆米のしんかい・みのりや 新飼哲哉 店主
「やはり高値が続くので、備蓄米の需要はそれなりに続くのかなと思う。店頭もそうだが通販もやっているので、2つの販路でなんとか8月中に売り切れるように頑張っているところ」
こうした「配送の遅れ」が全国的に問題になっていますが、農水省によると実は政府は、配送前であれば契約の解除、つまり「備蓄米のキャンセル」を受け付けており、7月下旬以降、キャンセルする業者が全国で相次いでいるそうです。

特に数量が多いのが福岡市に本社を置く「トライアルカンパニー」で、申し込み済みだった備蓄米6000トン分をキャンセルしています。

これを受けて農水省に取材したところ、小売業者からヒアリングをした上で「販売期限の延長や余った備蓄米の買い戻しなど、いくつかの対策を検討する可能性がある」ということです。

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