2022/06/14 08:00
「3試合頑張ってみてよ」 今季初登板で160キロ、ソフトバンク甲斐野の復活を後押しした言葉
ホークス
2022/06/18 08:00
ソフトバンクの甲斐野央投手(25)が17日の楽天戦(ペイペイドーム)で今季初めて出場選手登録され、昨年10月以来の1軍マウンドに上がった。交流戦明けの最初のゲーム、首位攻防第1ラウンドで5点リードの9回を任され1イニングを無失点。いきなり自己最速を更新する160キロをマークした。
4年目の今季は春季キャンプ、オープン戦で1軍切符を懸けた競争に勝ち残れず開幕前に降格。交流戦が終わりチームが61試合を消化したところでようやく戦力として最前線に戻ってきた。2軍での最速は159キロ。「シーズン前よりボールはまとまっている」と確かな手応えを携えての昇格だった。
ルーキーだった2019年にチーム最多の65試合に登板。途中から勝ちパターンの一角で起用され、シーズン後は侍ジャパンの一員として国際大会にも出場した。さらなる飛躍が期待されていたが2年目の春季キャンプ中に離脱。その年は1軍で登板なしに終わり、手術を経て昨年途中に復帰しても本来のパフォーマンスは出せないままシーズンを終えた。
今年、開幕1軍を逃した後に2軍で取り組んだのはフォームの見直しだ。
「一からというわけではないけど、コーチに話を聞いたり、自分でも考えて、継続してやってきた。リハビリ期間は肘に負担のないフォームをと考えていた。でも(復帰後)バッターに対するのにタイミングのズレがないというか、反応が違った。元に戻すというわけではないけど、体重移動の時間を長くしたり、立った時にどこに重心を置くのかとか、いろいろ考えながらやってきた」
昨年1月に結婚した妻の”助言”も大きかったという。フォームを模索しながらマウンドに立つ中、2軍戦で安定感がいまひとつだったことを指摘され、ハッとした。
「あんたいい状態が続かへんな、みたいなあおりを食らったんです(笑)。いや、関西弁じゃなくて標準語でしたけど。『一回、3試合(続けて)頑張ってみてよ』みたいなことを言われて、そこから状態が良くなりました。本当に継続しないといけないなと思って、グサッときました」
甲斐野の今季2軍戦成績は24試合で1勝1敗3セーブ、防御率2.59。5月に入って7試合連続無失点と状態が上向き始めた一方、被安打0を3試合以上続けたことは4月の一度しかなかった。徐々に状態を上げ、6月は4試合連続で無安打無失点。1軍のチーム状況もありリーグ戦再開のタイミングで待望の昇格が決まった。3月に第1子が誕生して以降は初めての1軍。「本当にかわいい」というわが子への愛情とともに気合をみなぎらせて合流した。
チームは開幕からフル回転してきた救援陣の勢いが停滞気味。5月は1点台だった救援防御率は、6月に入り交流戦終了時点で4点台とやや苦しんでいた。森が再調整で不在の現在、勝ちパターンを担うのは抑えモイネロ、8回又吉、その前の6、7回が嘉弥真、津森、藤井。もともと甲斐野は勝ち試合で投げていただけに状態次第でここに加わってくる可能性は十分にある。
自らの立場を自覚する甲斐野は「津森君が疲れていますし、ランニングを見ても足が動いていない(笑)。こっちは炎天下で走ってきた。(ドームは)涼しいから余裕だぞ、という感じで」と後輩右腕をいじりつつ、決意を口にした。
「そこ(勝ちパターン入り)を目指してやっている。いけといわれたら、気負うわけではなく、いつも通りにやってやろうという気持ち。競争に負けないように」
最速160キロについては「壁はでかいっすよ。野球人生が終わるまでには1球出したい」と謙虚に話していたが、今季初登板のマウンドで2球も計測。元来が負けず嫌いの剛腕は首位再浮上、そして覇権奪回へ、ファームで取り組んできた成果を出し切る構えでいる。
(TNC「ももスポ」17日オンエア・YouTube「ももスポチャンネル」/聞き手=吉川貴司、取材=安枝遼)
4年目の今季は春季キャンプ、オープン戦で1軍切符を懸けた競争に勝ち残れず開幕前に降格。交流戦が終わりチームが61試合を消化したところでようやく戦力として最前線に戻ってきた。2軍での最速は159キロ。「シーズン前よりボールはまとまっている」と確かな手応えを携えての昇格だった。
ルーキーだった2019年にチーム最多の65試合に登板。途中から勝ちパターンの一角で起用され、シーズン後は侍ジャパンの一員として国際大会にも出場した。さらなる飛躍が期待されていたが2年目の春季キャンプ中に離脱。その年は1軍で登板なしに終わり、手術を経て昨年途中に復帰しても本来のパフォーマンスは出せないままシーズンを終えた。
今年、開幕1軍を逃した後に2軍で取り組んだのはフォームの見直しだ。
「一からというわけではないけど、コーチに話を聞いたり、自分でも考えて、継続してやってきた。リハビリ期間は肘に負担のないフォームをと考えていた。でも(復帰後)バッターに対するのにタイミングのズレがないというか、反応が違った。元に戻すというわけではないけど、体重移動の時間を長くしたり、立った時にどこに重心を置くのかとか、いろいろ考えながらやってきた」
昨年1月に結婚した妻の”助言”も大きかったという。フォームを模索しながらマウンドに立つ中、2軍戦で安定感がいまひとつだったことを指摘され、ハッとした。
「あんたいい状態が続かへんな、みたいなあおりを食らったんです(笑)。いや、関西弁じゃなくて標準語でしたけど。『一回、3試合(続けて)頑張ってみてよ』みたいなことを言われて、そこから状態が良くなりました。本当に継続しないといけないなと思って、グサッときました」
甲斐野の今季2軍戦成績は24試合で1勝1敗3セーブ、防御率2.59。5月に入って7試合連続無失点と状態が上向き始めた一方、被安打0を3試合以上続けたことは4月の一度しかなかった。徐々に状態を上げ、6月は4試合連続で無安打無失点。1軍のチーム状況もありリーグ戦再開のタイミングで待望の昇格が決まった。3月に第1子が誕生して以降は初めての1軍。「本当にかわいい」というわが子への愛情とともに気合をみなぎらせて合流した。
チームは開幕からフル回転してきた救援陣の勢いが停滞気味。5月は1点台だった救援防御率は、6月に入り交流戦終了時点で4点台とやや苦しんでいた。森が再調整で不在の現在、勝ちパターンを担うのは抑えモイネロ、8回又吉、その前の6、7回が嘉弥真、津森、藤井。もともと甲斐野は勝ち試合で投げていただけに状態次第でここに加わってくる可能性は十分にある。
自らの立場を自覚する甲斐野は「津森君が疲れていますし、ランニングを見ても足が動いていない(笑)。こっちは炎天下で走ってきた。(ドームは)涼しいから余裕だぞ、という感じで」と後輩右腕をいじりつつ、決意を口にした。
「そこ(勝ちパターン入り)を目指してやっている。いけといわれたら、気負うわけではなく、いつも通りにやってやろうという気持ち。競争に負けないように」
最速160キロについては「壁はでかいっすよ。野球人生が終わるまでには1球出したい」と謙虚に話していたが、今季初登板のマウンドで2球も計測。元来が負けず嫌いの剛腕は首位再浮上、そして覇権奪回へ、ファームで取り組んできた成果を出し切る構えでいる。
(TNC「ももスポ」17日オンエア・YouTube「ももスポチャンネル」/聞き手=吉川貴司、取材=安枝遼)
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